テーマ『愚陀佛庵』

 

R8.9.11
百年の原稿の朱のくすみ夏
          ひでやん

遺稿繰る指や階下の百日紅
          すまいるそら

活けて詩となりゆく桔梗みづみづし
          海原夏帆

きちこうや子規さんのこゑ猫のこゑ
          巴里乃嬬

下宿代あげます竜田姫ゐます
          宵嵐

愚陀佛庵の窓は涼しき月を飼ふ
          樹海ソース

天金のこゝろへ窓の月涼し
          木ぼこやしき

天金は豊かに古び月の秋
          にゃん

ペン置きの鰐の蘊蓄夜の秋
          靫草子

筆置きの龍の黒錆初嵐
          樫の木

文かはすやうに暮らせり草の花
          横縞

肘ついて菊描く友よ秋灯
          浅海あさり

柿食らふ呼べば応ふる朋とゐて
          ろまねす子

ひじ掛け窓に柿食ふ二人愚陀佛庵
          二城ひかる

R8.9.18
再建といふ新涼のやうなもの
          梅うめ子

通り土間抜けて庵へ桑の風
          小笹いのり

子規の下駄漱石の靴虫集く
          佐藤儒艮

夜長かな漱石の灯と子規の灯と
          桜鯛みわ

猫柳揺れ吾輩は友である
          蜘蛛野澄香

友への妬心水蜜桃の産毛ほど
          髙田祥聖

文学論果てて夜長の腕相撲
          ほしのり

子規いるやこんなに秋の澄む夜は
          家守らびすけ

秋の風きみらをpioneerと訳す
          イサク

筆止めてこゑきざはしに月きれい
          和脩志

律の風階下に子規のこゑ絶えて
          竹田むべ

身に沁むや下りれば子規のをらぬ部屋
          赤味噌代

『天』
柿ほどな小さき家にまた棲まん
          沼野大統領

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