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『いい、つばきの日』2026年

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  R8.1.25 黄の椿魔法を放つ手のように / イサク 太陽のかをりを蕊に黄篤山 / くまタがり 椿落つ眠れる母のぼんのくぼ / 押見げばげば 椿ひらく空のあをさの真正直 / はぐれ杤餅 笑ひごゑに輪郭のある椿かな / 爪太郎 椿とは重たき光黄篤山 / 空豆魚 花びらの黄は母の色椿咲く / くう つばきつばき挫折を知ってつよくなる / 或人 恐竜の卵のごとき椿咲く / 花節湖 ぽくぽくとあくびしてゐる黄の椿 / 露草うづら 新しき椿卵のやうなつぼみなる / 秋白ネリネ 詩はまるで黄色い吐息めく椿 / 古賀 黄椿のふふふ上人坂に雪 / みずな 椿落つ月の引力から遠く / ようこうよ 黄の椿震えて孵る朝かな / 桃園ユキチ そしてまた光になっていく椿 / やまさきゆみ まっさらな心やわらかつばき咲く / 野山恵生 切り紙のてふ発ちつばき綻びぬ / 亜桜みかり 代打呼びだす金秋の更衣室 / 山城道霞 神さまが座れば落椿ふふふ / 天宮ほたて 椿ゆるる空の濾過の始まりぬ / 翡翠工房 思春期の罅や椿の蕾はや / Rx 黄篤山椿それは触れてはならぬ芯 / 冬のおこじょ 寒椿真っ黄浮気はバレてない / たーとるQ おたもとのまろみにためる黄の椿 / 那乃コタス 椿踏むミナミアフリカオットセイ / 幸田梓弓 やはらかな黄の椿を食んでみたい / BEAT 兄思ひ妹思ひ咲く椿 / 穣時生 『最優秀賞』 月光へ突き落されて椿でした / 元野おぺら 『俳都松山大使賞』 椿つばき愛は腫れぼつたく匂ふ / 麦のパパ 『家藤正人賞』 つばきつばき八時の太陽が怖い / 太田陽翠 『優秀賞』 八百比丘尼食むししむらは黄の椿 / 一斤染乃 手のひらのひよこの温度椿落つ / 弥栄弐庫 花びらのとろんと境のなき椿 / 木ぼこやしき 日曜のお尻のやうな椿です / 五味海秀魚 ため息はたうめい椿はきいろい / 古賀 『ギャラリー賞候補』 吾子よりも賢さうなる椿かな / 山本先生 金色の椿が夢を見てゐるよ / 古瀬まさあき 寒つばき蕾の脈の不言色 / 青居舞 その中の一つは水死落椿 / 大黒とむとむ 一番の幸せな椿をおくれ / 江口朔太郎 千年のひかりの嗚咽椿の黄 / 坐花酔月 『ギャラリー賞』 日に生まれ咲いて椿は真珠色 / しみずこころ 『いい、つばきの日賞』 黄篤山やくとじ椿の品の良さ / ...

『スノーチェーン』

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  R8.1.16 シチューふうふうスノーチェーン持ってけよ           三隅涙 スノーチェーン線路のやうに敷く係           京番茶さきこ バックギア入れるスノーチェーンへ真直ぐ           能瀬野風 手の中のスノーチェーンに負のねじれ           藍創千悠子 未だ着かぬスノーチェーンの錆硬し           広島華水樹 スノーチェーン最後のフックが嵌らない           ピアニシモ 宿は目の前はまらぬスノーチェーン           トウ甘藻 父の手のスノーチェーンの従順な           川越羽流 スノーチェーン夫に巻かせて葱ラーメン           桜鯛みわ スノーチェーン付けてコーヒー渡される           世良日守 僕が巻いたスノーチェーンじゃ乗せられない           あいだほ 条件はスノーチェーンを巻ける人           桃園ユキチ スノーチェーン必死ラブホテルまで二キロ           モッツァレラえのくし スノーチェーンぢやくぢやく俺以外臨休           潮湖島 スノーチェーンがうがう謝罪行脚かよ           かねつき走流 スノーチェーンに慣れて辞令は那覇支店           三月兎 R8.1.23 来ぬバスやスノーチェーンの雪礫           天雅 スノーチェーンしりしり空を鳴らしけり           多々良海月 スノーチェーン同士よぼよぼすれ違ふ           山本先生 また無言スノーチェーンが緩すぎる           めろめろ 獰猛な雪獰猛なスノーチェーン           十月小萩 路面ぢんぢんスノーチェーン千切れさう           ろまねす子 スノーチェーン切れて愛車の獣めく           彼方ひらく スノーチェーンぎらぎら連られ行く事故車           古瀬まさあき スノーチェーン硬しコンビニは眩し           安曇野くーみん 軍手から軍手へとBOSSスノーチェーン           立田鯊夢 アメリカンドッグを奢るスノーチェーン           二重格子 スノーチェーンの轍にぶちまけてある吸殻           岬ぷるうと スノーチェーン余震のラヂオぷつんぷつん        ...

『摩耶詣』

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  R8.1.2 選ばれし花の明るき摩耶詣          村瀬ふみや 花飾り二頭任され摩耶詣          赤目作 摩耶詣花かんざしの刺しどころ処          飯村祐知子 摩耶詣なばなさりさり鳴らしつつ          桃園ユキチ 摩耶参りやんぐりやんぐと揺れる花          駒水一生 高く低く揺るる花かご摩耶詣          満生あをね 摩耶詣花が揺れれば尾も揺れて          あなぐまはる 馬の背を軋む花かご摩耶詣          ももたもも 嘶きを花かんざしへ摩耶詣          ユリノキ 摩耶詣馬に花かご空に雲          鬼ぐるみ 馬の背に色布と昆布摩耶詣          洒落神戸 昆布より長き馬の尾摩耶詣          ほろよい 大阪湾見晴るかす手の摩耶昆布          元野おぺら 摩耶詣日を欲しいまま灘凪ぬ          能瀬野風 摩耶詣果てて山の目開きけり          広島じょーかーず R8.1.9 法螺貝の強き濁音摩耶詣          高原としなり 摩耶詣僧の諸手の掬ふ空          駒村タクト 摩耶詣祝詞に飽きし仔馬の尾          三月兎 摩耶詣尾の豊なる飾り馬          小川さゆみ お囃子をうなづくお馬摩耶詣          葦屋蛙城 祓われて光る嘶き摩耶詣          にゃん 馬の耳に捧ぐる祈り摩耶詣          山本先生 閼伽御供のみづの明るき摩耶詣          霧賀内蔵 たてがみのような雲だね摩耶詣          ポコアポコ たてがみに月まとはせて摩耶詣          池之端モルト 馬の尾に月の来てゐる摩耶詣          ギル 星と月溢れる寺を摩耶詣          笑笑うさぎ 月と日の巡るあとさき摩耶詣          川名まこと 『天』 荒波の遠く粉吹く摩耶昆布          彼方ひらく 明日泥に塗れる馬身摩耶詣          播磨陽子

やのひろみの部屋 ラジオ句会『初御籤』

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  R8.1.5 下剋上息子に敗けた初御籤 /ふくもっち 初みくじ子の大吉に吾も笑顔 /ゆるるん 運勢は気にせず引かぬ初御籤 /デブピエロ 初御籤凶を引いたよ上がるだけ /ともしげ 初御籤すべては心の持ちようか /ういんど テスト前恵比寿顔なり初御籤 /たまぞう 初御籤大吉会いたいつば九郎 /あおねこぎんちゃん スマホ持ちたなくじを撮る初御籤 /根に持たない小学生 初御籤お神酒を呑んで引きました /なんしーばばろあ 初御籤三十二年ぶりの凶 /音羽凛 初御籤これがすべてじゃないもんね /気まま水星人 初御籤子の末吉と替へてやり /山本先生 初御籤ひよいといとこに奪はれる /水須ぽっぽ 退院日決まる小吉初御籤 /みづちみわ 初御籤ひろげる指に憂いなし /一人男 結んでは樹を賑やかす初御籤 /東の谷のしんちゃん 消防士の息子と二人初御籤 /かなぶん 能面のやうな上司や初御籤 /珊瑚霧 財布より去年の大吉初御籤 /藍創千悠子 白紙てふ神の悪戯初御籤 /熊の谷のまさる 初御籤特別大吉我が子引く /高校37年生 初御籤結婚良しと言はれても /たかみたかみ 初御籤動けば縁があると言ふ /酒井春棋 失せし恋は探しても無駄初みくじ /夏湖乃 新築はありやなしやと初御籤 /伊藤柚良 がんがんに振って二つの初御籤 /紅紫あやめ こむら返り金毘羅詣初御籤 /韋駄天急便 どきどきし恋愛占い初御籤 /ぷくぷくパパ 祈り込め皺の手にも初御籤 /ごんだくれ 初御籤は吉初空を仰ぐ /あーるわんじい わしは引かん横から覗く初御籤 /かっとれもん 初御籤たのもしさうな枝に結ふ /陽光樹 戒めに手帳に挟む初御籤 /かのえ 初御籤どこで引いても末吉で /あん 一頻り映画で泣いて初御籤 /明日ぱらこ 初御籤親父の分と二枚引き /小粋ならすぷーちん 初御籤大吉引いて小突かれて /だいすけ 【天候補】 「籤」の字の朱のあたたかき初御籤 /ひでやん 初御籤大吉馬券は当たらない /多数野麻仁男 初御籤とは神の子の内緒事 /嶋村らぴ 初みくじ見せ合ふ仲になりました /嶋村らぴ 唾つけて治れば儲け初御籤 /モッツアレラえのくし 蒼天を見つめて選ぶ初御籤 /平良嘉列乙 甘酒の前に急いで初御籤 /沖野ばなな 初御籤まぐろの町のベンチにて /五味海秀魚 日本の真中で引くは初御籤 /岡田きなこ 樟木の捩るる枝や初御籤 /...

漢字シリーズ『笑』

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  R7.12.19 山羊の乳たんと出る日や山笑ふ           アロイジオ 青空のなにが可笑しい捨案山子           中村くまねこ 微笑みの後から涙は出る芒           エミコ・ドラーテ 雪山に髭のみしみし笑ふかな           野野あのん 蠅二、三死んでゐさうな髭が笑ふ           爪太郎 窓に花火笑はぬ母の手を握る           上腕三頭筋 花柊うつろに笑ふ母へ白湯           凡鑽 微笑みは哀しき盾や寒の水           桃園ユキチ 微笑めば菊に浸されゆく柩           吉野川 ゆらゆらと笑草郷愁は不意に           窪田ゆふ 笑ったり泣いたりセロリブロッコリ           亀田かつおぶし 冷笑は明日の海鼠が訊くとして           えのきやで 「寄り添う」だなんて笑わせんなよ咳           丁鼻トゥエルブ 福笑淋しき顔にしか見えぬ           中村すじこ 人日やヤクルトレディー笑ひ来ぬ           西野誓光 歯科に吸ふ甘き聖夜の笑気ガス           一斤染乃 蝦蛄葉仙人掌しゆぱしゆぱ歯科の笑気ガス           西川由野 R7.12.26 山笑ふ鏡のみぎは吾のひだり           春野ぷりん 焼芋を割る焼芋を笑はせる           千夏乃ありあり 着ぶくれてをる爆笑のど真ん中           広瀬康 ジャンパーや僕と関係ない笑ひ           北野きのこ 膝掛や先生は吾を笑はない           堀雄貴 自販機の震へて笑ふ昼の月           反抗期のコアラ 思い出し笑ひをしては脱ぐ手袋           寺尾当卯 忘年会下座が笑ひすぎてゐる           もりさわ 笑納せよと退職のちやんちやんこ           小笹いのり ご笑納くださいとっときの風花です           山内彩月 冷蔵庫閉め笑っちゃうほど孤独           吉行直人 水仙や笑ひ転げる生前葬           八幡浜うさの アシカ笑む春の憂ひを餌として           平良嘉列乙 冬の月笑つた猿は進化する           風の花 小春日や猿に笑窪のない理由           恵勇 『天』 雪片に...

『短日』

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  R7.12.5 短日やラヂオは子供相談室           鈴木秋紫 短日の紅茶に沈めさみしさは           甘えび 鯖缶をぎごぎご短日の厨           朝日 センサーにまみれて短日のからだ           川名まこと 削岩機担いで短日の地下足袋           理酔蓮 短日やこんここんこと灯油売           風鮎 日短か歌売るやうに灯油売           イサク 短日に背を向け啜る饂飩かな           梨山碧 短日やまるめて運ぶ鯨幕           押見げばげば 短日や墓標鮮やかなる百基           古瀬まさあき 短日の火をてのひらの影に飼ふ           常幸龍BCAD 火葬場を掃く短日の人に会う           丁鼻トゥエルブ 短日を嫌な大人として過ごす           宵嵐 日めくりに切れ端の層日短           元野おぺら 「日短」と耳打ち嗄れ声の木々           一斤染乃 R7.12.12 好きな空あり短日の植物園           山本先生 塩パンや短日な部室のかけら           Rx 保健室しろく匂いて日短           幸の実 部屋干しは寂しい匂い日短し           春海凌 短日のバーバーカトウにドリルの子           妹のりこ 短日のロボット掃除機少し飛ぶ           杏乃みずな ファックスのなかを短日がくしゃくしゃ           凪太 短日の昼過ぎピアノ売却す           にしやまくわがた 短日や坐骨の傷の熱ごもる           星の雫 ミッキーの笑窪小暗し日短           澤村DAZZA 短日や反戦と書く段ボール           未茂李座 鉄扉より黙短日のシナゴーグ           沼野大統領 ビデオ電話もう短日の東京と           陽光樹 『天』 望郷や短日の石ずぶ濡れて           ひそか 『銀曜日』(R7.12.4 一句一遊 虎の巻より) 短日や薔薇窓に青深まりぬ           アロイジオ

『金目鯛』

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  R7.11.21 舳先より銀朱の朝や金目鯛           稲畑とりこ 日輪の赫きを宿し金目鯛           伊藤映雪 目は月の半身として金目鯛           常幸龍BCAD 金目鯛の月を渇望する眼           岩のじ 鱗に陽眼に月の金目鯛           爪太郎 目ばかりの頭の金目鯛来たり           北野きのこ 金目鯛眩し横目に雑魚を買ふ           ながのかおるこ 金目鯛酒蒸し給料ドルの父           煌星アニカ 金婚の母の偏愛金目鯛           むぎ子 金目鯛炊いて退職一日目           穂積天玲 金目鯛煮る何もない日を喜んで           彷徨ういろは 金目鯛睨むな俺は潔白だ           けーい〇 煮凝りのごとき月なり金目鯛           古賀 R7.11.28 鰭になほことほぎの色金目鯛           岸来夢 古九谷も臆せぬ煮付け金目鯛           落花生の花 旗日の大安金目鯛の威勢           赤馬福助 富士見えしこと云い合うて金目鯛           もりさわ 金目鯛富士は主賓の真向かいに           深山むらさき またお酌来て手付かずの金目鯛           常盤はぜ 子規未だ健啖ならば金目鯛           郡山の白圭 金目鯛贔屓が勝つて酒が旨い           亀田荒太 阪神の敗けて真顔の金目鯛           麦のパパ 金目鯛せせるロッテは最下位で           洒落神戸 金目鯛煮えた首相が選ばれた           ひそか ペルリ来て下田の金目鯛でかいなり           沼野大統領 槌音に肥ゆるや能登の金目鯛           池之端モルト 金目鯛強き祈りは目に宿る           川越羽流 『天』 一度目の祝儀を返せ金目鯛           凡鑽 金目鯛しかし明るく病んでゐる           元野おぺら