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一句一遊25周年記念『二十五』

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  R8.7.3 にっちもさっちも二十五番の貸ボート           赤坂みずか 内弟子の二十五人に西瓜切る           なしむらなし 嫁がない協定二十五の聖菓           能瀬野風 遺失物の聖菓湾岸二十五時           三浦海栗 空港に春のみづ飲む二十五時           小野りす 麦茶冷ます二十五時のラジオ           よしとんこ 月きれい校長室の二十五時           きせき 夭折や二十五時なる時鳥           井上さち 着ぶくれ解除し二十五時の授乳           天宮ほたて 夜濯の啜り泣くごと二十五時           石川穴空 二十五時間戦う梅雨の五苓散           一斤染乃 ビールつぐ二十五時からが長い夜勤           阿部八富利 ビール干す二十五針も縫うたんや           佐藤ゆま 二十五番目の月にさみしき名をつけむ           飯村祐知子 花と雪初夢の二十五層目は           元野おぺら R8.7.10 向日葵や片足立ちの二十五秒           栗田すずさん 白百合の成熟といふ25°           青木りんどう 短夜や仰角二十五度に獏           あさのばなな 停学は二十五日目なめくじり           立田鯊夢 二十五まで数へ百足の左足           日土野だんご虫 蛇二十五回曲つたときに死ぬ           コンフィ 二十五回転生したらニシアフリカトカゲモドキ           かくれが 二十五匹のかなぶんのためのタンゴ           理酔蓮 二十五針ほどかと思ふ秋思かな           野地垂木 二十五トンと言つて差支へなき秋思           広島じょーかーず 腐草蛍となる二十五画の欝が鬱           冬のおこじょ 父の通夜終え二十五となるや雪           家守らびすけ 二十五で産んで白桃甘すぎた           小野睦 『天』 二十五年歩いて緑陰がきれい           きつネつき

『仙台虫喰』

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  R8.6.18 仙台虫喰聴くや近づく沢の音           一走人 葉の揺れにあらず仙台虫喰ぞ           鈴白菜実 仙台虫喰やまのしづくとして飛びぬ           水須ぽっぽ 仙台虫喰のこゑより森のはじまりぬ           長谷川水素 せんだいむしくひ水鏡めく森のこゑ           村瀬ふみや 仙台虫喰森は溺れるほど碧い           にゃん 仙台虫喰ちひさく濁るこゑ降らす           彼方ひらく 仙台虫喰五度鳴き耳の感電す           24516 仙台虫喰のこゑは儚き趨光性           広島じょーかーず 仙台虫喰耳はあかるく酔ひはじむ           すまいるそら 仙台虫喰山にいくつの木霊あり           笑笑うさぎ 仙台虫喰あなたは木霊なのでしょう           青野みやび 仙台虫喰りゆんりゆん声を羽化させて           古賀 仙台虫喰天の上澄み吸ふこころ           津島野イリス R8.6.26 耳澄ますほどに遠のく仙台虫喰           みのわっこ 仙台虫喰しののめ色の嘴わつて           かま猫 仙台虫喰眉は鳥海山の白           栗平紗江 囀るは仙台虫喰朝餉に火           天弓 仙台虫喰寺は力士の合宿所           朱鷺9条湯八 仙台虫喰御苑しづかな影多し           川越羽流 仙台虫喰山門すべらかな浅黄           桃山直 千年に収まる寺伝仙台虫喰           常幸龍BCAD 仙台虫喰さざれ石が白い           宵嵐 仙台虫喰樹上にぱらいそはあるか           イサク 『天』 仙台虫喰竹の御紋の宇和島藩           伊予素数 空耳の空ゆ仙台虫喰来           熊の谷のまさる

カタカナシリーズ『マ』

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  R8.6.5 茉莉花の出窓ひかりのマンドリン          津島野イリス 街灯のマリンバパナマ帽に小銭          国東町子 朔太郎忌戀人の弾くマンドリン          小型犬の夫 短夜や暗きバルよりマンドリン          めぐみの樹 マンドリル大いに尿る大暑かな          横縞 離職せり初夏のマーブルチョコレート          ちべた店長 マヨネーズ離婚初日の冷蔵庫          板柿せっか 立葵すつくとマツチ箱の家          立ち漕ぎブランコじゅん ががんぼの厠へマタイ受難曲          亘航希 短日に聴くマーラーは長すぎる          ねこまたぎ イマジンを聴け残雪はまだ光る          錆田水遊 マーカーをフランス領へ引く薄暑          もりさわ マーライオンの口そんな開いてない春          公木正 R8.6.12 マカロンは春の短詩のやうな色          碧西里 ママと言ふ口うららかやパを教ふ          山本先生 排他的明朗女子群アマリリス          あなぐまはる 曼珠沙華ウルトラマンは死にました          一港 西日濃し今日もマクドに棄つる刻          世良日守 炎天をマッチ棒めく詩人来る          大久保加州 マンモグラフィー終えて炎天また炎天          小野更紗 マグダラのマリアのなみだ花茨          竹田むべ 蝌蚪みたりだらだらマグダラのマリア          元野おぺら マトリョーシカの芯に冷房到達す          梅うめ子 まくなぎや喪主のマイクを渡されて          凡鑽 新盆の父の引き出しからマッチ          日土野だんご虫 ジレンマは蝸牛剥ぐとき匂ふ          澤村DAZZA 『天』 マウス百生まれて麦は黄ばむばかり          爪太郎

『茹小豆』

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  R8.5.22 水吸うて真面目にふくれ茹小豆           高田ちぐさ 艶といふひかりのあそび茹小豆           熊の谷のまさる 混ざるとはちよと濁ること茹小豆           七瀬ゆきこ ゆであづき木べらは心すくふよに           村瀬ふみや 川音や木匙にすくふ茹小豆           かま猫 茹小豆くすくす雨の子供会           常幸龍BCAD 茶話会とは静か茹小豆たぷと           高原としなり 茹小豆進め弱小剣道部           長谷川水素 コッフェルの茹小豆まぜ山の唄           チャイ 茹小豆きのうの友は今日も友           木村弩凡 一日をだらけて夕の茹小豆           百瀬はな 茹小豆はむはむ遠野より風来           一斤染乃 茹あづき青島(チンタオ)産の塩あまし           清水縞午 ゆであずき記紀にいつつのたなつもの           Rx R8.5.29 おほらかに老ひを太りぬ茹小豆           ともこへ 茹小豆なければ純喫茶とはいへず           立田渓 ラヂヲは吉右衛門ふつくら茹小豆           小川さゆみ 逝くならばぽっくり茹小豆たっぷり           丁鼻トゥエルブ 茹小豆祖父は死ぬまで「僕」だつた           天雅 茹小豆わたしは姉が重かった           茶々琴子 茹小豆今のジュリーに似た亭主           河野しんじゆ 茹小豆あなたは塩のやうに笑む           多数野麻仁男 借金は減らねえ茹小豆固え           家守らびすけ 給料はしょっぱい茹小豆は甘い           一井かおり なにもない有給休暇ゆであづき           チョコ沢ブラウニ― 機械には頼らぬ暮らし茹小豆           芦田葉月 『天』 暮しの手帖届く生家の茹小豆           小川野雪兎 茹小豆つついて比丘尼くづれかな           ひそか

『夏来る』

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  R8.5.8 夏来る皿のスープの浅緑           眠睡花 昆布出汁のあはきみどりや夏来たる           蝦夷野ごうがしゃ お懐紙に海老天かろき立夏かな           巴里乃嬬 夏来る懐紙はぴんと菓子支ふ           西川由野 バーガーを溢るるソース夏来る           木染湧水 夏来たといちいち吼えてくるチワワ           滝澤凪太 夏来るガラスのペンのやうなビル           秘英知 教室の窓の数だけ夏の来る           小田毬藻 先生に塩素の匂ひ夏来る           浅海あさり 筆の穂に夏来る百の詩歌かな           麦のパパ 裸婦像は風を聴き分け夏来る           花咲春 夏来るや詩人の像にちからこぶ           白猫のあくび 真つ白な羽に斥力夏来る           久森ぎんう 泥の嘴ひたに忙し夏来る           みのわっこ 猿山の懸崖眩し夏来る           いかちゃん R8.5.15 夏来る雑誌へ夏色の付箋           樹海ソース ステッカー多きトランク夏は来ぬ           伊藤柚良 薄きものみな翻へり夏来る           うからうから 熱波師のタオルに翼夏来る           蜘蛛野澄香 牛乳に野生の歪む夏来る           もりさわ 首里城をとほく灯して夏来る           爪太郎 トクトイ!と交わす馬乳酒夏来る           池之端モルト やまびこの戻りの疾し夏来る           柚木みゆき 退廷の木槌の一打夏来る           麦のサワコ 花包む新聞に夏来てをりぬ           山本先生 魔のカーブにまた花束のある立夏           ふくじん ぬばたまの夜のヒロシマ夏来る           稲穂 『天』 我らいま芝生のくじら夏来る           イサク 夏来る石は仏に選ばれて           ギル

『遍路』

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R8.4.24 山に一礼川に一礼遍路発つ                     滝澤凪太 けものとりそらうみわたし遍路道                     桜鯛みわ 遍路去り次の遍路の鈴の音                     松山もも お遍路の鈴の音らしき木霊かな                     JUJU 遍路へんろ鈴はひかりの咀嚼音                     古賀 750㏄の背中遍路の笠飛ぶか                     理酔蓮 遍路宿空を出られぬ雲あはれ                     穂積天玲 雨はふりやまず遍路はふりむかず                     ひそか 雨遍路しづかに光る輪袈裟止め                     秘英知 お遍路や雨余の海音の輝けり                            村瀬ふみや 夕遍路山谷袋の底に泥           みづちみわ 一人寝の四十畳や遍路笠           多事 マメ刺せば透明な水遍路宿                     只野乙華散 お遍路をもてなす国の湯やはらか                     冬島尚 R8.5.1 足摺の白波眩し遍路道           春海凌 遍路笠脱げば白波寄りて散る                     水須ぽっぽ 覚悟とは白し遍路の山野草                     イサク 隧道の白き遍路に徐行せり                     越智空子 脇を抜く風や遍路の舵として                     石川穴空 お遍路の負いたる影を風の押す                     一走人 鈴鳴るや星の遍路のなほしづか                     那乃コタス 心音や遍路は影を削りつつ                     古瀬まさあき 宝号や喉の渇きを遍路杖           麦のパパ 遍路宿指の覚えし数珠の瑕                     彼方ひらく 手握つて生まれ杖握つて遍路                     トウ甘藻 身の芯の鉄になりゆく遍路かな                     元野おぺ...

漢字シリーズ『川』

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  R8.4.10 山も川も付かぬ四股名や浴衣干す           寺尾当卯 川普請終へて川湯に足の四つ           北村崇雄 小川跳ぶ烏野豌豆鳴らしては           花南天anne 泥犬も靴も洗いて春の川           ローゼン千津 父はもうたうにいぬはず雪解川           あまぶー 母の太ももに静脈透けて川遊び           梅うめ子 産んでたら双子だったね春の川           三隅涙 腐草蛍に川に水面の凸と凹           トウ甘藻 涸川に刺さるマネキンだつたモノ           世良日守 川底がニュースに度々寒い朝           やまのぼりのたん 啄木忌川面突き出る棒に影           百瀬はな 川はどの星と話すの桜桃忌           いずみ令香 三伏や川の流れを変へし王           彼方ひらく 夏まぶし川が神様だったころ           Rx 唄ふよな川瀬に洗ふとまととまと           海色のの 川上から春の伝言ゲームかな           あなぐまはる オールドフレンド春の小川で会いましょう           めろめろ R8.4.17 あやとりで川はかんたんねむる蝶           ほのか(小2) 川上に蝶ゐる匂ひ雲流る           紗羅ささら 春の川犬の歩みに遅れけり           淺野紫桜 きらきらと小川に掛かる蛇の衣           のり茶づけ 春の日の石丸くする川の音           采女のぼたん すべらかな石になりたし川は春           小川さゆみ 引越しや今度は川の話し声           無花果邪無 立春や染めし幟を晒す川           おこそとの 梅花藻の揺れるにまかせ川曲る           大型犬 めだかめだかこの川までが工区です           小笹いのり 一川にひとつの讃歌山笑ふ           伊藤映雪 川の辺の人柱めく桜かな           播磨陽子 春川や被爆マリアの目の虚ろ           岬ぷるうと 川の知る魚の葬(はふり)や春時雨           麦のパパ 『天』 二股に川の分かれてあとは麦           沼野大統領