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『喇叭水仙』

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  R8.3.13 喇叭水仙たとへ我でもさう名付けん            山本先生 言はれれば喇叭水仙ですけれど            藤白真語 喇叭水仙てふ太陽の疑似餌ゆる            爪太郎 喇叭水仙なんと清々しき野心            高尾一叶 喇叭水仙の一吹き海の開かるる            仁和田永 非戦反戦喇叭水仙なら鳴らない            横縞 喇叭水仙英霊として馬は            明日ぱらこ 白き馬青き馬過ぎ喇叭水仙            外鴨南菊 喇叭水仙王の秘事吐くとき香る            泗水ハオ 山羊の王は滅び喇叭水仙は唄ふ            北野きのこ 転生は喇叭水仙も選べます            内田ゆの 喇叭水仙みんな手ぶらで行く天国            沼野大統領 喇叭水仙勇気の唄として薫る            みづちみわ R8.3.20 声あればソプラノ喇叭水仙は           中山月波 hiC(ハイツェー)を出せる喇叭水仙はこれ           松井まっちゃ 喇叭水仙きつとこきふが音楽だ           かつたろー。 喇叭水仙耳とは喜びに透ける           澤村DAZZA 誰がくつ隠した喇叭水仙に雨           凡鑽 喇叭水仙中庭へ置く譜面台           となりの天然水 喇叭水仙みどりごの口腥し           公木正 唇に予熱らつぱ水仙しづか           錆田水遊 あますぎる夢はくるしい喇叭水仙           渋谷晶 喇叭水仙しあはせは揮発性           ギル 無音より小さき声欲し喇叭水仙           熊の谷のまさる ニュピの日の喇叭水仙てふひかり           ちべた店長 『天』 喇叭水仙ひかりを採譜するやうに           にゃん 喇叭水仙かぜを戴冠する角度            古賀

『曲水』

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  R8.2.27 雨はれて曲水の笙澄みわたる           桜鯛みわ 装束の値踏み曲水遠巻きに           ひそか 曲水の童子のあくび甘さうな           梅うめ子 曲水や杯置く石の良き高さ           西川由野 曲水や盃置くに佳き小岩           毬雨水佳 曲水へ若紫の入場す           凪太 曲水の宴に遅参の右大臣           彩汀 篤姫も曲水に袖濡らしたか           冬島直 曲水や吐息残して止める筆           唯野音景楽 曲水や詩になる前のみづは無味           帝菜 曲水やかへらぬものにみづとこゑ           常幸龍BCAD 曲水や管弦みづのごと甘く           元野おぺら きよくすいの雅楽は風となり微酔           かいみきまる 流觴を寄す月影をたぐるごと           碧西里 曲水や流れゆきたるものに影           富山の露玉 R8.3.6 曲水の鳥影は野を流れをり           巴里乃嬬 曲水のゆかし明るし盃の揺れ           妹のりこ 思慮深きかほして曲水のみづは           日土野だんご虫 曲水のちよつといぢわるさうなみづ           おかまごはん 曲水の詩片よ觴の真顔が来           一斤染乃 曲水の淀み羽觴の空回り           近江菫花 曲水やしばし羽觴のうしろむき           谷山みつこ 流觴の尻から来るままを詠み           多数野麻仁男 曲水を松葉流るやそれを詠む           いかちゃん 五の角を越へて曲水をはりけり           みいみ 曲水や水脈のひかりの草書めく           押見げばげば 曲水の袂へ何か軽きもの           八神てんきゅう 曲水や岩にせかるる恋の歌           佐藤レアレア 『天』 あくがるる身は流觴を手放せり           七瀬ゆきこ

漢字シリーズ『説』

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  R8.2.13 ひょんなことのひょんを説明する日永          ギル この時の薔薇の気持ちを説明せよ          髙田祥聖 遺品には社説の束や漱石忌          星乃瞳 説明のつかないお金雀の巣          富山の露玉 風説の生まるる湯沸室ぬくし          札幌のとべちゃん 取説は読む派鯛焼き尻から派          斉藤立夏 小説の清書二万字目よ梅よ          蜘蛛野澄香 口説かれて皇居の梅をやつてます          八神てんきゅう 通説では鳴かぬ生き物春の暮          樋口滑瓢 快楽を説かない鳥を放つ春          熊の谷のまさる 海月くらげただよいながら愛を説く          由づる 愛を説く花びらに櫂濡らしつつ          多々良海月 三月十一日愛に説明はいらん          モッツァレラえのくし 冬青空三島の演説へ怒号          ひそか R8.2.20 七色のクレヨンで囀りを説け          空海菩薩を見た 説得は不発子猫は逃走す          藤白真語 春泥や猫に説諭の時間です          一蘂六 孑孑の私小説めく浮き沈み          彩汀 革命を説いて海鼠に付けぬ箸          深山むらさき 馬珂貝や俺が説得する役目          戸部紅屑 伝説の勇者凪太と闇鍋す          凪太 新説 海のあぶくの孵化が春          イサク 人参二股アタシもともと地動説          穂積天玲 天動説今宵いびつなラ・フランス          沼野大統領 花茨村にキリスト渡来説          笑松 狐火や水で増えるという仮説          藍創千悠子 取説ノ三狐火ハ熱クナイ          樫の木 『天』 なんといふ説得力のあるキャベツ          十月小萩 遊説へ怒号下萌こんなにも          はぐれ杤餅

『冬尽く』

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  R8.1.30 冬尽くやメタセコイアの天辺あを           ひつじぐもおん 冬尽くるみづを一匙くちばしへ           岩のじ 海鳥の胸の冬尽くる白さ           古瀬まさあき 冬尽くやジンベイザメが産まれます           ロンドンベアパディントン 口へ入り鰓を出るみづ冬終る           元野おぺら 船上のチューバの白し冬尽くる           七瀬ゆきこ 冬尽くやけふの吐息はみづの色           立田鯊夢 冬尽きて転生できるならば風           嶋村らぴ 冬尽くや風は明るき断定形           播磨陽子 冬尽きる光の色の断定形           希凛咲女 冬尽くや重たきことはひらかなに           緑穐律 冬尽くや元気玉なら貯めてある           紅紫あやめ ジョーカーがやたら眩しい 冬尽きた           安溶二 冬尽くやマトリョーシカはゴルバチョフ           大岡秋 象虫の跳ぶ音冬の尽きる音           曇ゆら R8.2.6 時速約五キロで冬が尽きてゆく           梅うめ子 冬尽きて二センチ深くなるこきふ           志和野紫水 冬尽きぬ雨の残り香だけの朝           横縞 盛り塩の切つ先へ雨冬尽くる           巴里乃嬬 冬尽くや裏窓の灯の卵色           平野芍薬 ハングルの街は冬尽く日曜日           鈴木麗門 冬尽きて風車の方に星ずれて           潮湖島 果樹園に風の孵りて冬去りぬ           仁和田永 冬尽くや廃線跡に海の風           柏餅二口 水といふ雪のしかばね冬終る           伊藤映雪 選挙カー選挙カー冬去る自習室           Rⅹ 金取つた親権取つた冬尽きた           江口朔太郎 『天』 冬尽くや銅色の川の底           一走人 「花瑠瑠」と書くのか冬尽くる匂ひ           一斤染乃

『いい、つばきの日』2026年

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  R8.1.25 黄の椿魔法を放つ手のように / イサク 太陽のかをりを蕊に黄篤山 / くまタがり 椿落つ眠れる母のぼんのくぼ / 押見げばげば 椿ひらく空のあをさの真正直 / はぐれ杤餅 笑ひごゑに輪郭のある椿かな / 爪太郎 椿とは重たき光黄篤山 / 空豆魚 花びらの黄は母の色椿咲く / くう つばきつばき挫折を知ってつよくなる / 或人 恐竜の卵のごとき椿咲く / 花節湖 ぽくぽくとあくびしてゐる黄の椿 / 露草うづら 新しき椿卵のやうなつぼみなる / 秋白ネリネ 詩はまるで黄色い吐息めく椿 / 古賀 黄椿のふふふ上人坂に雪 / みずな 椿落つ月の引力から遠く / ようこうよ 黄の椿震えて孵る朝かな / 桃園ユキチ そしてまた光になっていく椿 / やまさきゆみ まっさらな心やわらかつばき咲く / 野山恵生 切り紙のてふ発ちつばき綻びぬ / 亜桜みかり 代打呼びだす金秋の更衣室 / 山城道霞 神さまが座れば落椿ふふふ / 天宮ほたて 椿ゆるる空の濾過の始まりぬ / 翡翠工房 思春期の罅や椿の蕾はや / Rx 黄篤山椿それは触れてはならぬ芯 / 冬のおこじょ 寒椿真っ黄浮気はバレてない / たーとるQ おたもとのまろみにためる黄の椿 / 那乃コタス 椿踏むミナミアフリカオットセイ / 幸田梓弓 やはらかな黄の椿を食んでみたい / BEAT 兄思ひ妹思ひ咲く椿 / 穣時生 『最優秀賞』 月光へ突き落されて椿でした / 元野おぺら 『俳都松山大使賞』 椿つばき愛は腫れぼつたく匂ふ / 麦のパパ 『家藤正人賞』 つばきつばき八時の太陽が怖い / 太田陽翠 『優秀賞』 八百比丘尼食むししむらは黄の椿 / 一斤染乃 手のひらのひよこの温度椿落つ / 弥栄弐庫 花びらのとろんと境のなき椿 / 木ぼこやしき 日曜のお尻のやうな椿です / 五味海秀魚 ため息はたうめい椿はきいろい / 古賀 『ギャラリー賞候補』 吾子よりも賢さうなる椿かな / 山本先生 金色の椿が夢を見てゐるよ / 古瀬まさあき 寒つばき蕾の脈の不言色 / 青居舞 その中の一つは水死落椿 / 大黒とむとむ 一番の幸せな椿をおくれ / 江口朔太郎 千年のひかりの嗚咽椿の黄 / 坐花酔月 『ギャラリー賞』 日に生まれ咲いて椿は真珠色 / しみずこころ 『いい、つばきの日賞』 黄篤山やくとじ椿の品の良さ / ...

『スノーチェーン』

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  R8.1.16 シチューふうふうスノーチェーン持ってけよ           三隅涙 スノーチェーン線路のやうに敷く係           京番茶さきこ バックギア入れるスノーチェーンへ真直ぐ           能瀬野風 手の中のスノーチェーンに負のねじれ           藍創千悠子 未だ着かぬスノーチェーンの錆硬し           広島華水樹 スノーチェーン最後のフックが嵌らない           ピアニシモ 宿は目の前はまらぬスノーチェーン           トウ甘藻 父の手のスノーチェーンの従順な           川越羽流 スノーチェーン夫に巻かせて葱ラーメン           桜鯛みわ スノーチェーン付けてコーヒー渡される           世良日守 僕が巻いたスノーチェーンじゃ乗せられない           あいだほ 条件はスノーチェーンを巻ける人           桃園ユキチ スノーチェーン必死ラブホテルまで二キロ           モッツァレラえのくし スノーチェーンぢやくぢやく俺以外臨休           潮湖島 スノーチェーンがうがう謝罪行脚かよ           かねつき走流 スノーチェーンに慣れて辞令は那覇支店           三月兎 R8.1.23 来ぬバスやスノーチェーンの雪礫           天雅 スノーチェーンしりしり空を鳴らしけり           多々良海月 スノーチェーン同士よぼよぼすれ違ふ           山本先生 また無言スノーチェーンが緩すぎる           めろめろ 獰猛な雪獰猛なスノーチェーン           十月小萩 路面ぢんぢんスノーチェーン千切れさう           ろまねす子 スノーチェーン切れて愛車の獣めく           彼方ひらく スノーチェーンぎらぎら連られ行く事故車           古瀬まさあき スノーチェーン硬しコンビニは眩し           安曇野くーみん 軍手から軍手へとBOSSスノーチェーン           立田鯊夢 アメリカンドッグを奢るスノーチェーン           二重格子 スノーチェーンの轍にぶちまけてある吸殻           岬ぷるうと スノーチェーン余震のラヂオぷつんぷつん        ...

『摩耶詣』

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  R8.1.2 選ばれし花の明るき摩耶詣          村瀬ふみや 花飾り二頭任され摩耶詣          赤目作 摩耶詣花かんざしの刺しどころ処          飯村祐知子 摩耶詣なばなさりさり鳴らしつつ          桃園ユキチ 摩耶参りやんぐりやんぐと揺れる花          駒水一生 高く低く揺るる花かご摩耶詣          満生あをね 摩耶詣花が揺れれば尾も揺れて          あなぐまはる 馬の背を軋む花かご摩耶詣          ももたもも 嘶きを花かんざしへ摩耶詣          ユリノキ 摩耶詣馬に花かご空に雲          鬼ぐるみ 馬の背に色布と昆布摩耶詣          洒落神戸 昆布より長き馬の尾摩耶詣          ほろよい 大阪湾見晴るかす手の摩耶昆布          元野おぺら 摩耶詣日を欲しいまま灘凪ぬ          能瀬野風 摩耶詣果てて山の目開きけり          広島じょーかーず R8.1.9 法螺貝の強き濁音摩耶詣          高原としなり 摩耶詣僧の諸手の掬ふ空          駒村タクト 摩耶詣祝詞に飽きし仔馬の尾          三月兎 摩耶詣尾の豊なる飾り馬          小川さゆみ お囃子をうなづくお馬摩耶詣          葦屋蛙城 祓われて光る嘶き摩耶詣          にゃん 馬の耳に捧ぐる祈り摩耶詣          山本先生 閼伽御供のみづの明るき摩耶詣          霧賀内蔵 たてがみのような雲だね摩耶詣          ポコアポコ たてがみに月まとはせて摩耶詣          池之端モルト 馬の尾に月の来てゐる摩耶詣          ギル 星と月溢れる寺を摩耶詣          笑笑うさぎ 月と日の巡るあとさき摩耶詣          川名まこと 『天』 荒波の遠く粉吹く摩耶昆布          彼方ひらく 明日泥に塗れる馬身摩耶詣          播磨陽子