『腐草蛍となる』(七十二候)
R8.7.17 たまゆらに腐草蛍となるにほひ あみま いつせいに腐草蛍となる浮力 広瀬康 腐草蛍となる沈む瞼にある湿り 井納蒼求 腐草蛍となる吾も皮膚呼吸するらしい 海原夏帆 腐草蛍となるたとへば猫の水晶体 あが野みなも 果実酒にあぶく腐草蛍となる夜更け 柚木みゆき 腐草蛍となるヨギボーが臭い 串だんご 腐草蛍となる詩人の耳の湿度 門前の一草 腐草蛍となる癒せる判決などなし 麦のサワコ 腐草蛍となる土を起こせば父のこゑ 坐花酔月 よく臭ふかつて腐草のほうたるは 髙田祥聖 腐草蛍となる生きられない木のリボン イサク 腐草蛍となつて樹海を眠らせない 七瀬ゆきこ R8.7.24 みづは息殺し腐草蛍となる 幸田梓弓 微熱めく腐草蛍となる真水 八幡浜うさの 櫂置く音腐草蛍となれる音 黒子 腐草蛍となりけり水漬きし郷 海原帆布 空つぽの水槽へ雨腐草蛍となる 常幸龍BCAD 腐草蛍となる悦にも似たる痛みもて 元野おぺら 虫こぶを灯し腐草は蛍となる いかちゃん 腐草蛍となるミゲルの墓のガラス玉 風早杏 腐草蛍となるや運河を灯のしづか みづちみわ 腐草蛍となる橋の名にさみしい由来 泗水ハオ 端にかのおおかみ腐草蛍となる 舞藤ふぁふぁふぁ 九条や腐草蛍となる国に 桜鯛みわ 腐草蛍となる君が代の調べ 城内幸江 『天』 腐草蛍となる雨は静かなホログラム はぐれ杤餅 なまじめる月よ腐草は蛍へと 岬ぷるうと