『雪しろ』
『雪しろ』
R5.3.31
雪しろは日本の言葉山仰ぐ
大型犬
雪しろや動くものみな音蒼し
うぅりゃりゃ柚季
雪しろや水が濁つて澄む過程
きせき
雪しろやひかりをかへすみづに影
笑笑うさぎ
雪しろの流れを割いて光飛ぶ
B作くん
雪しろやまだ太陽に角がない
広木登一
雪しろの爪痕太陽の愁ひ
痛快
雪しろやそらのおへそにずつきする
本田ゆうら
からだぢゆう雪しろの鼓動であるか
冬のおこじょ
大物を狙ふ雪しろの澱みへ
ぽおや
雪しろのがうがう魚は磨かれて
澤村DAZZA
滾る雪しろチェーンソーの応戦
妹のりこ
雪しろや酒と釣り券だけの店
大黒とむとむ
雪しろのみづに洗はる道祖神
沢拓庵
雪しろや腰へぶつかる鈴と鈴
お天気娘
雪しろがうがうマンホールは鼓膜
井納蒼求
こんこんと雪しろ雪だつた記憶
岩のじ
R5.4.7
雪しろの音そのほかは谺かな
はれまふよう
雪しろを避けつつ眠さうなこだま
きとうじん
雪しろを知らせる風の曲りゆく
きさらぎ恋衣
雪しろは山のきのふを運ぶみづ
ヒマラヤ杉
雪しろを超えて足跡馬小屋へ
打楽器
雪代や牛舎の銅の青く錆び
稲畑とりこ
雪しろへ鼻先牛の名は「ひかる」
えるも
雪しろや難産の子山羊は双子
燕の祈り
雪しろや手書きの地図を折る歩荷
俳句ファイヤー立志
雪しろにうた山のこと風のこと
新田ダミアナ
雪しろやお山は鳴くと祖父は言う
桃園ユキチ
雪しろたつぷんコロボツクルひよこり
京番茶さきこ
雪しろや河童のやうなもの流る
小だいふく
まよひがであらう雪しろのびてゆく
古瀬まさあき
『天』
雪しろの流れ光を喰ひ飽きず
テツコ
雪しろや賑やかなる神名辞典
Rⅹ
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