投稿

12月, 2022の投稿を表示しています

『歳暮』

イメージ
『歳暮』 R4.12.23 互換インク買つたか御歳暮贈つたか          片岡六子 叔父からの歳暮今年は重いやつ          つまりの 横流す歳暮を振つて確かむる          世良日守 お歳暮の読めないけれど佳いお酒          いかちゃん やつと課長やつと歳暮の五つ六つ          凡鑽 ひとつのみとなりし歳暮の紐固し          めろめろ 歳暮は一つ枯山水の石のごと          門前の一草 同居人宛の歳暮を受け取りぬ          ツナ好 示談してやつた人より歳暮の来          大黒とむとむ しかしその歳暮でかいのなんのって          凪太 二人目の妻と迎へる歳暮客          柳絮 青海波めくお歳暮の常陸牛          高尾里甫 賄賂かもしれぬ歳暮の肉を喰ふ          鈴木麗門 お歳暮は三越管理費は滞納          寺尾当卯 R4.12.30 紋別より角の潰れしお歳暮来          紫水晶 集金のガス屋歳暮のボールペン          星月さやか 厚く切る歳暮のハムのうやうやし          みずちみわ 金のサテンに歳暮のハムは横たわり          小型犬 お歳暮の薔薇の包みの張り豊か          かいみきまる 花束のやうな歳暮の渡し方          豆闌 風呂敷は夢二歳暮の瓶結び          立ち漕ぎブランコじゅん 歳暮来る時の止まれる喪の家へ          灰色猫 行き違う歳暮の海老と喪の報と          あずお玲子 お歳暮が届く範囲の暮らしかな          山本先生 歳暮積む階段脇や医者の家          城ケ崎文椛 デパートから歳暮セロハンテープ固い          けーい○ 熨斗紙の白の清らか歳暮来る          青野るりこ 印刷の熨斗に鶴ある歳暮かな          中岡秀次            『天』 御歳暮の油だ鍋よたんと飲め          たーとるQ 満載の歳暮を空にして銀河          吉野川      

『雪囲』

イメージ
  『雪囲』 R4.12.9 雪囲ぴしりといふて朝の音           湯屋ゆうや 煮えばなの粥のしめやか雪囲           さくさく作物 禅寺に粥炊く匂ひ雪囲           村木年子 長光寺門徒総出の雪囲           にゃん 住職も如来も眠る雪囲           鈴木麗門 俯きて眠る農具や雪囲           詠頃 雪囲いへ音なき宵をさくりさくり           番人 雪囲して温石のごとき鬱           トポル 雪囲して羊水の腔となる           凪太 男来て女の家の雪囲ふ           山田喜則 出戻りのサチコの噂雪囲           ちべた店長 置物のやうな大をぢ雪囲           すりいぴい 雪囲して出稼ぎに行つたきり           寺尾当卯 明日からは娑婆ぞ飯場の雪囲           樫の木 R4.12.16 竹と竹鳴くまで絞むる雪囲           北野きのこ 甘き水溜め込む大樹雪囲           津島野イリス 朽ちかけの板の混ざりし雪囲           三月兎 雪囲差し込み板に節二つ           永田千春 上三段残して今朝の雪囲           ムラノヒト 五段目の腐食が急所雪囲ひ           錆田水遊 雪囲五番目の板真新し           せとみのこ 解くまでは二階暮らしや雪囲           たなかとうま 友曰く雪垣通り来ればいい            句楽生 津田んちの雪囲また撮られてら           長谷川水素 用務員研修其之五雪囲           富山の露玉 雪囲ひとりでピアノ行くと言ふ           稲畑とりまる ゆびぬきの銀のつばめや雪かこひ           夏雨ちや 雪囲畳の縁を踏まぬ母           亀田荒太 雪囲明るい星はみな寂し           坐花酔月 雪囲終へてやマレーシアは晴           西野誓光 『天』 おしら様おはす暗がり雪囲

『鯛焼』

イメージ
  『鯛焼』 R4.11.25 鱗めりこませ鯛焼割りにけり           田中木江 鯛焼のちょうど半分ってそこか           仁和田永 鯛焼はつぶあん以外認めぬ会           越智空子 手土産が鯛焼ほどの仲である           陽光 お詫びだという鯛焼が香ばしい           けーい〇 鯛焼の金剛力をほほばりぬ           渋谷晶 仏壇の前は鯛焼き食ふところ           結壱隆月 社内失業午後三時に鯛焼           渋皮煮 東スポにくるむ鯛焼夜勤明け           鈴木麗門 東スポの予想鯛焼五つほど           太郎 鯛焼ニ十匹冷えゆく消防署の机           灰色狼 鯛焼片手に転職サイトかな           イエティ伊藤 値上がりの鯛焼あんこが熱すぎる           西田真優 終わらないローン鯛焼三つ食う           青海也緒 鯛焼や辞書を売りてもこれつぽつち           さんでんきそく 鯛焼やもう捨てました野心なぞ           もりさわ R4.12.2 もう生地でなくまだ鯛焼でもなく           多々良海月 鯛焼や D 判定を頭から           西川由野 鯛焼へ並ぶ家出を終はらせて           七瀬ゆきこ 鯛焼を食んでは小さき雲を生む           月岡方円 鯛焼や巨人の指紋のやうな雲           いといと6才 鯛焼は粒餡音読は『春暁』           猫宮瓜 鯛焼や国家試験の自己採点           竹田むべ 〆切や焦げつく鯛焼のおつぽ           正念亭若知古 鯛焼の餡少なくて我らに似て           イサク 鯛焼や大人も大人に叱られる           てくてく たいやきやきのふのわれはいつもばか           真井とうか 鯛焼とあんなんだけど父だった           澤村 DAZZA 『天』 鯛焼きの側面とゐふ真正面           銀紙 鯛焼の支点はたぶん頭寄り           おこそとの 教え:字余りの効果(しつこさを出す狙い) 鯛焼の度