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伊予銀行主催 オンライン句会ライブ2024

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  『トップ賞』 新しいブーツ道後の秋高し           Rx 『入賞』 秋の雲湯に方言の混ざりあふ           磐田小 松山の冬青空の無縫かな           伊藤映雪 新涼ややる気の出ない日の足湯           麦のパパ 新酒酌む道後の街に詩のにほひ           朝霧さら 子規像のバット短し秋高し           クラウド坂の上 雪見風呂宇宙船つてさみしさう           稲畑とりこ 色鳥作業員みなブラポル語           原水仙 ライブカメラに狐火ふたつ道後の湯           古賀 湯上りの瓶こきこきと鰯雲           Q&A 秋扇をひらく人力車のお客           星月彩也華 湯の街は銀の方舟春疾風           坐花酔月 秋の道後伊佐庭さんはお金持ち           シュリ 短夜の湯治さみしきふくらはぎ           謙久 信号待つ車夫に夏帽褒めらるる           燦々時計 皇子の見し道後の青も澄みにけり           ノセミコ じゃこかつのすり身ぷりぷり秋の雲           高瀬瑞憲 はらはらと素風を幟萎びけり           北里有季 ビール腹どぷん落葉の露天風呂           帝菜 もうしばらく吐くことなくて月に発つ           東田早宵 秋の雲じゃこ天揚げたてに限る           日土ぽぽんた 新調の暖簾爽やかに触るる           ひでやん 柔らかな湯の小波や秋日和           そまり 椿濡れゐて行燈のいぶし銀           かいみきまる 面接に落ちて道後の鰯雲           藍創千悠子 出湯出て時雨の夜を走りけり           栗田すずさん 柄杓触れぬやう仲秋の湯玉石           叶安 街の湯に月の欠片を閉じこめる           やまさきゆみ 鯛めしの空ひつかけて幟立つ           元野おぺら 九月尽じゃぐちのとこはさわらないよ           やまもと葉美 茸籠をバイクに吊つて足湯かな           世良日守 足湯カフェのカフェオレぬるし秋の空           水須ぽっぽ それ以上はだけられない藍浴衣           花紋 顔ハメの胸板マ

『朝顔の実』

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  『朝顔の実』 R6.10.11 あさがほの実しぼみしものの色吸うて           青海也緒 朝顔の実のどこに藍潜みゐる           ひそか 子が腹におるは楽しき朝顔の実           篠原そも 妊婦立つ朝顔の実と息揃へ           乃咲カヌレ 産まぬ選択あさがほの実は爆ぜて           オキザリス 朝顔の実青く臨月は近し           大西秋桜 朝顔の実や壁薄きあさひ荘           常盤はぜ 朝顔の実お持ちください診療所           鈴木麗門 朝顔の実を持ち帰る投票所           近江菫花 カラカラの朝顔の実の給油店           星月彩也華 朝顔の実今日も閉めてる古本屋           高田ちぐさ 朝顔の実寺の箒に寺の号           小川野雪兎 朝顔の実や相続の顔揃ふ           寺尾当卯 朝顔の実や3号機がまた嗚咽           七瀬ゆきこ ベトナムの月朝顔の実の形           大紀直家 朝顔の実ぽろぽろ清朝滅ぶ           亘航希 朝顔の実ぱりり幸福追求権           横縞 R6.10.18 萼の脱力朝顔の実のぷくり           千夏乃ありあり あさがほの実のふくらかに乾びけり           いかちゃん 朝顔の実はじく昼のコンクリート           小物打楽器 あげられるもの朝顔の種くらい           らん丸 うまい棒と朝顔の実を送られて           村木年子 棄ててあるあさがほに実のある朝だ           古瀬まさあき 朝顔の実とかいいから出てってよ           宮下ぼしゅん 普通なんてないないいない朝顔の実           ぱぷりかまめ 朝顔の実よ実よ淋し吾は淋し           梵庸子 思い出は朝顔の実より少ない           よしかわよし 自己愛の函はからっぽ朝顔の実           澤村DAZZA 朝顔の実や緑銅に病むフェンス           古賀 朝顔の実に夜の雨の名残かな           ももたもも 『天』 朝顔の実の垂れてよりまた太る           樫の木

『鯊』

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  『鯊』 R6.9.27 鯊の目の昏き隆起や波を待つ           常幸龍BCAD 砂煙らせて砂色の鯊動く           山口花見月 砂喰つて砂吐く鯊の無表情           宇都宮駿介 鯊百尾開く小出刃の無言かな           日永田陽光 鯊焼くやにはかの雨のかぐはしき           林廉子 月末の汁かけ汁や鯊煮える           そも 鯊煮るや故郷の味噌は甘すぎて           西野誓光 鯊食えよ仕事選ってる場合かよ           一斤染乃 跡取りの兄の出奔鯊を割く           碧西里 底辺を生きてしみじみ鯊づくし           たいらんど風人 東京湾に鯊やスイカをチャージして           里山子 人口島犇く湾や鯊跳ぬる           藤色葉菜 鯊飛ぶやテトラポットがデカ過ぎる           世良日守 鯊の目やジャンボジェットのどてっぱら           佐藤儒艮 上皇様の御手にあをあを鯊の鰭           三月兎 上皇の白衣麗し鯊清し           冬島直 上皇の在す日本は鯊の国           中岡秀次 R6.10.4 自転車を放りだす浜鯊日和           ひらもとかおる 突堤に座せば隣人鯊日和           松山もも 釣り糸は光だまりへ鯊の潮           ツナ好 針外す間や鯊のひと睨み           めろめろ 針を取る握力鯊を歪ませる            広島華水樹 手の中の泣いた気がした鯊ぬくく           中村すじこ 釣り人のかたへに鯊の干からびる           仁和田永 突堤の染みは踏まれた鯊である           理酔蓮 辞め時を考えながら鯊を釣る           彷徨ういろは 数学は赤点鯊は釣れ過ぎる           ふくびきけん 鯊憎し妻と来たればほぼ釣れず           山本先生 妻に似た鯊放る他は持ち帰る           ギル 鯊釣や釣果といふに恥ずかしく           青木りんどう 暮色かな鯊も単身なる父も           桜鯛みわ 『天』 唇の針より裏返りさうに鯊           もりさわ

『白露』(二十四節気)

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  『白露』 R6.9.13 行き合ひの風の綴ぢしろ白露なり           佐藤ゆま ゴム底に白露の石を喰はせけり           大山正木 くたくたの田靴よ白露の忌中札           稲穂 牛乳の瓶に擦れ傷ある白露           かま猫 防災の袋へ句集白露の夜           杏乃みずな セロハンの黄ばむ白露の文庫本           伊藤映雪 望郷を綴る白露のペンの黒           沢唯果 反りし筆白露の墨へ沈めけり           藍創千悠子 猫の爪ほどの白露の月上がる           にゃん やや欠けた月は白露のためである           広島じょーかーず 腹浮かぶ鯉の亡骸白露の朝           雪のこだま くろがねににほふ骸を棄つ白露           麦のパパ 蹄鉄の形見となれり白露けふ           彼方ひらく 木彫へ嵌める石の眸白露の眸           播磨陽子 牛の乳滑らかに出ず白露かな           帝菜 ペーターの山羊は名無しやけふ白露           椋本望生 R6.9.20 会釈して白露の朝を譲り合ふ           花南天anne 城跡や白き白露の石ひとつ           苫野とまや 馬の尾のはらと白露の風を斬る           池之端モルト 発酵を終へたやう白露の雲は           織部なつめ 六君子湯を白露の白湯さらり           川越羽流 糠足して白露の朝の壺しづか           津島野イリス 産みたての白露の卵集めたる           きとうじん 終の家どこになろうか白露の日           蓼科嘉 また少し透明に白露の母よ           小野更紗 納骨を壮途となさむ白露かな           凡鑽 新聞のにほひ白露の土の匂にほひ           越智空子 水を得て器定まる白露かな           穂積天玲 肺へ風入れる白露の薄荷色           野風 空もまた白露八方尾根を風           あみま 『天』 一滴となるや白露のみづとみづ           常幸龍BCAD

漢字シリーズ『松』

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  R6.8.30 新松子むしりたがりしかたかりし           人日子 百歳の松の松ぼつくり怖い           広島じょーかーず 薪棚の上に松毬(まついが)冬支度           藍月 冬ざれや黒松いたく拗けたり           竹田むべ 臥龍松はだへも雪をこぼさざる           彼方ひらく 色変へぬ松の正しき曲りかな           きさらぎ恋衣 松の根を蟻かくかくとあざなへり           ろまねす子 千年の愉楽の気分松手入           椋本望生 松本はぼんぼん暑い夏の雲           かすがさきこ 目印は龍なる松ぞ盆帰省           宇都宮駿介 背表紙の灼ける松本零士かな           灰色狼 富士の初雪おそ松さんの老いてゆく           西村小市 五十路楽しや松葉牡丹咲く咲く           のりのつばさ 赤松にきれいな鱗若冲忌           越智空子 熊蝉や松皮剥がしさうな程           家守らびすけ 青松虫焦げてるとこを擦って鳴く           いかちゃん (大山夏山開き祭) 奥宮を囲む松明二千初夏           一港 R6.9.6 松虫やタワーマンションてふ独居           ヒマラヤで平謝り 松虫や元寇遺構ありし浜           世良日守 苦潮や舫ふに細き島の松           清水縞午 桟橋は途切れ近松忌の波濤           葉村直 夕焼けに松山を松山だと思う           無敵なおき 愚弟と思うとつた松山に虹           にわさきまちこ 宗教はいらない松茸はもらう           朝日 松落葉尖るわたしの薄つぺら           小染湧水 お守りをはずす月夜の松葉杖           稲見里香 松葉杖立てかけてある桜かな           ぞんぬ 行く春や叔父に見せたる松の帯           乃咲カヌレ 海松色の秋思を詰める旅鞄           七瀬ゆきこ 松の間は先客をりて菊膾           ひらもとかおる 百物語の松吉がまた道楽で           穂積天玲 松明を壁画へ翳す無月かな           広瀬康 『天』 秋遍路松も昔の友ならむ           近江菫花 R

『俳句甲子園』

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  『俳句甲子園』 R6.8.16 俳句甲子園机の下の拳かな          麦仙人 マイクが拾ふ俳句甲子園の焦り          高橋寅次 俳句甲子園マイク目配せして渡す          鈴白菜実 熱弁の助詞「を」の理由俳句甲子園          岸来夢 俳句甲子園助詞の飛距離を測りをり          音羽凛 俳句甲子園歴史揺るがす助詞一つ          木ぼこやしき 俳句甲子園詩を整へるひとこきふ          きのえのき 討論といふ研磨剤俳句甲子園          せとみのこ 崖っぷち上等俳句甲子園          うねめのぼたん 最強の装備はナカマ俳句甲子園          千夏乃ありあり 俳句甲子園飛び跳ねる詩と心臓と          綾竹あんどれ 俳句甲子園詩にずぶ濡れの心臓          七瀬ゆきこ 俳句甲子園島の子に島の詩          富山の露玉 俳句甲子園海はきれいなだけぢやない          常幸龍BCAD 鳥はなぜ飛べるのだらう俳句甲子園          藍創千悠子 俳句甲子園海は青くて詩は深い          立ち漕ぎブランコじゅん 俳句甲子園雲しづやかにして太し          押見げばげば R6.8.23 俳句甲子園まろき下五の鼻濁音          麦のパパ 俳句甲子園先鋒きよらなる息づかひ          赤尾双葉 俳句甲子園次鋒の息は詩の重み          樹海ソース 一音の飛沫や俳句甲子園          京番茶さきこ 先輩は借りてきた猫俳句甲子園          ボイス&フィンガー 俳句甲子園ほんたうは無口な友と          浅海あさり 俳句甲子園ちりり充電電子辞書          水須ぽっぽ 俳句甲子園祖母の句集を護符として          かつたろー。 先鋒は歌人の血筋俳句甲子園          丁鼻トゥエルブ 俳句甲子園詩は熱を帯び渦となる          青井えのこ 俳句甲子園ゆっくり過る詩の尾鰭          澤村DAZZA 詩を生んでやすらかな肺俳句甲子園          伊藤映雪 俳句甲子園こころの弦の震へをり          磐田小 俳句甲子園をのこののんどよう動く          津島野イリス 俳句甲子園益荒男に泣く権利    

『納豆造る』

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  『納豆造る』 R6.8.2 納豆造る塩とがらせてまろませて           古賀 納豆造るやまとの友として麹           Rⅹ 納豆造る桶の黒きを貴びて           彼方ひらく 納豆造る木桶の蓋の深縹           駒村タクト 納豆造るぐわと塩浮く桶の縁           澤村DAZZA 寺じゆうに納豆造る塩にほふ           ベス 納豆造る塩水は目に痛い           おこそとの お経より納豆造るのが巧い           けーい〇 納豆造るほかはしづかな昼なりけり           眩む凡 納豆造る室に眠らせ日に起こし           にゃん 納豆造るぽっぴらぺんと麹咲き           二重格子 納豆造る豆はきらきら饐えてゐる           碧西里 納豆造る念珠くらいの色が良い           笑田まき 納豆造る匂いに残る豆の熱           藍創千悠子 納豆造る何かを諦めたかたち           コンフィ 納豆造る食うて稼いで死ぬるため           くるまや松五郎 藍玉どうか納豆造るこそどうか           大友さち 納豆造る無心を仕込む僧ひとり           川名まこと R6.8.9 納豆造る桶に大豆のゆるぶ声           岬ぷるうと 指先に豆のたましひ納豆造る           トウ甘藻 納豆造る即身仏のごとき豆           俳句ファイヤー立志 納豆造る汗をかかざる仏の手           イサク 納豆造る寺の扉の菊御紋           川越羽流 得度式終へ納豆の造り方           熊の谷のまさる 納豆造る僧の橈骨(とうこつ)うねる           門前の一草 納豆造る地底の膿を掻くやうに           千夏乃ありあり 赤黒き泡吹く桶や納豆造る           杏乃みずな 納豆造る樽ぞふぞふと昏き熱           錆田水遊 納豆造る都に余る熱を用て           浦野紗知 兵火黒し造る納豆また辛く           古瀬まさあき 納豆造る乱を逃れし麹黴           西川由野 陽光とは痛くて黒し納豆造る           常幸龍BCAD 『天』 納豆造る禅僧の肉(しし)清らなり