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『金目鯛』

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  R7.11.21 舳先より銀朱の朝や金目鯛           稲畑とりこ 日輪の赫きを宿し金目鯛           伊藤映雪 目は月の半身として金目鯛           常幸龍BCAD 金目鯛の月を渇望する眼           岩のじ 鱗に陽眼に月の金目鯛           爪太郎 目ばかりの頭の金目鯛来たり           北野きのこ 金目鯛眩し横目に雑魚を買ふ           ながのかおるこ 金目鯛酒蒸し給料ドルの父           煌星アニカ 金婚の母の偏愛金目鯛           むぎ子 金目鯛炊いて退職一日目           穂積天玲 金目鯛煮る何もない日を喜んで           彷徨ういろは 金目鯛睨むな俺は潔白だ           けーい〇 煮凝りのごとき月なり金目鯛           古賀 R7.11.28 鰭になほことほぎの色金目鯛           岸来夢 古九谷も臆せぬ煮付け金目鯛           落花生の花 旗日の大安金目鯛の威勢           赤馬福助 富士見えしこと云い合うて金目鯛           もりさわ 金目鯛富士は主賓の真向かいに           深山むらさき またお酌来て手付かずの金目鯛           常盤はぜ 子規未だ健啖ならば金目鯛           郡山の白圭 金目鯛贔屓が勝つて酒が旨い           亀田荒太 阪神の敗けて真顔の金目鯛           麦のパパ 金目鯛せせるロッテは最下位で           洒落神戸 金目鯛煮えた首相が選ばれた           ひそか ペルリ来て下田の金目鯛でかいなり           沼野大統領 槌音に肥ゆるや能登の金目鯛           池之端モルト 金目鯛強き祈りは目に宿る           川越羽流 『天』 一度目の祝儀を返せ金目鯛           凡鑽 金目鯛しかし明るく病んでゐる           元野おぺら

『立冬』

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  R7.11.7 立冬の空がそらぞらしくて起きた           田邊辺 立冬や若きセロリを縦に割く           丘ななみ 逆撫です鱗に塩を引く立冬           あが野みなも 立冬の油ごと飲む麻辣湯           亘航希 脱嚢や立冬の陽をありつたけ           かねつき走流 立冬や日に百キロの象の餌           花散里 立冬の鳥の心音ととととと           綾竹あんどれ 立冬の輪郭線を描く小雨           あきののかなた 立冬の真つ只中へ雨粗し           そまり 立冬の夜や木芯燃える音           辰巳電柱 坐薬入れる立冬の弾薬として           ギル 父は今立冬のいろ抗がん剤           広島じょーかーず 立冬や粥一匙の力持て           笑笑うさぎ 立冬や祈りに磨耗せし撞木           常幸龍BCAD 立冬を正しくゆらぐ仏間の火           イサク 立冬や夕日の色にかぶれさう           ひそか R7.11.14 ペン先に小さき穴あり冬に入る           日永田陽光 冬立ちぬ白衣にボールペンの線           ツナ好 立冬やみづの明るさで笑ふ           古瀬まさあき 雲梯に垂るる冬立つまで垂るる           広島華水樹 剥げかかるセンターライン冬に入る           亀田荒太 立冬の岬バイクに残る熱           甘えび 冬に入るみづの柩として海は           伊藤映雪 何も無い町やさぐれて冬に入る           丁鼻トゥエルブ ジオラマに倒れた紳士今朝の冬           仁和田永 ラジオより時報四秒冬に入る           高尾一叶 冬来る硝子の繭を砕き出て           元野おぺら 『天』 しゆつと抜き取るひかり立冬のティシュ           飯村祐知子 立冬の空の青さの心因性           広瀬康 教え・・・季語の近さとは(R7.11.13 一句一遊 虎の巻にて) 立冬やチンしてる間に冷める皿 / 一人男  〇冷たさのイメージが季語と近いと指摘されてしまう。 立冬へ湖の水面の硬さかな / 聞岳  〇直接的に冷たいという情報は入れていない分、季...