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漢字シリーズ『西』

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  R6.5.24 大西日誰のものでもない教室           幸の実 青春や西日が折れる音がした           めろめろ 友愛やねじれの位置に射す西日           えむさい こめかみに西日配達先は留守           しるこう へばりつくガムの如くに大西日           大黒とむとむ 迫害と西日うつくし喫煙所           もりさわ ラーメンへ西日五グラム加えけり           樹海ソース 咳込みしはらあめんのせい大西日           石手川太郎 踏み場なき1K大西日の怒涛           夏湖乃 鉄の香の西日の遊具切り倒す           みしまはぐし サウナ後のビルのゴジラに西日さす           東狼 饅頭や墓に西日の当たりけり           猪子石ニンニン 斎場に立ちて西日の的となる           水須ぽっぽ 西日の倉庫錆たゲーム機五十台           安溶二 チンパンジー西日の窓を滅多打ち           藤白真語 縊らるる羊のまなこ大西日           池之端モルト R6.5.31 夏ざくらさびれたほうが西口で           新田ダミアナ 西口に出たかったけど虹きれい           かねつき走流 図書館の西マロニエの花の家           水きんくⅡ 置き去りの薔薇死に切れぬ西の家           三尺玉子 カラスノエンドウ西の門がわからない           かくれが 西空より雨十薬の根の真白           樫の木 原爆の雨は西より百日紅           理酔蓮 青嵐西ニツカレタ母居るか           のはらいちこ 石仏に石のまなじり西海子(さいかいし)           押見げばげば 旧姓は西郷と知る朴の花           星の雫 西暦潰れて単身の登山者名簿           古瀬まさあき 紙魚出でて西暦たつた二千年           さとけん 西暦0年の夕焼は痛くない           はぐれ杤餅 『天』 西を向く時三角に蟻のかほ           穂積天玲 季語『西瓜』のみに絞られた金曜日相当の秀句!(R6.5.23) 銀曜日 先頭の幼児で終はる西瓜割           月夜田しー太 脳天の欠けて終へるや

『夏の鴨』

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  『夏の鴨』 R6.5.10 樹々の気に膨らむ川や夏の鴨           樫の木 葦原を大きな風よ夏の鴨           富山の露玉 川と川混ざらぬ水や夏の鴨           さおきち 樋門へと水吸はれゆく夏の鴨           吉野川 橋脚の完成間近夏の鴨           たかみたかみ 橋桁の格子の影や鴨涼し           穂積天玲 大橋の日がな点滅夏の鴨           あいむ李景 金なくて憩ふは夏の鴨の川           みかどなな クビでせいせい夏の鴨すいすい           平良嘉列乙 コーギーの尻夏鴨に突かるる           池之端モルト 太陽に尻を赦され夏の鴨           凡鑽 夏鴨に触れてさびしき瑠璃の雨           押見げばげば 夏の鴨鳴くや雨粒美味からん           播磨陽子 夏の鴨過ぎぬ土産屋ひまさうに           西野誓光 つぶれない湖の売店夏の鴨           朱鷺9条湯八 ポップコーンへなへな投げて夏の鴨           とべやすこ R6.5.17 夏鴨へ洗いざらしの朝来る           綾竹あんどれ さざ波をさも美味さうに夏の鴨           三尺玉子 夏の鴨猛し水紋立てて立つ           札幌のとべちゃん 夏の鴨外輪船の引き波へ           近江菫花 夕風の沼みづみづし夏の鴨           百瀬はな 夕されて夏の鴨には広き湖           椋本望生 倒木に藻の青々と夏の鴨           巴里乃嬬 夏の鴨みづのにほひはみどりいろ           湯屋ゆうや 掻き入れる水に太陽夏の鴨           メレンゲたこ焼き 夏鴨に追はれ太陽動き出す           嶋村らぴ 夏の鴨太陽は無垢ゆえに刺す           イサク 夏の鴨ひかりが群れたがつてゐる           山本先生 光源はフィルムのやうだ夏の鴨           八幡浜うさの 水に浮く静物として夏の鴨           古賀 『天』 夏の鴨どぷんみどりに病むみづへ           常幸龍BCAD 水紋に届かぬ胸や夏の鴨           眩む凡

『アスパラガス』

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R6.4.26 土を嗅ぎアスパラガスはひかり嗅ぐ           城内幸江 アスパラガスみづ溌溂と爆ぜにけり           長谷川水素 みづの選びしアスパラガスといふ形           穂積天玲 紫の鉤爪がちりアスパラガス           津島野イリス 人間に尾骨アスパラガスに筋           眩む凡 白日へ白アスパラガス 痛い           島田雪灯 鬱屈な太陽おらんだきじかくし           ぞんぬ 雨の糸枝垂るるオランダ雉隠し           橘みちこ 人民日報西洋独活を折り包む           比良山 アスパラガス東京に負け続ける身           夏風かをる 次の恋アスパラガスの筋少し           川端こうせゐ アスパラガスほどまつすぐに愛せない           常盤はぜ 正しさをアスパラガスと比べをり           立田鯊夢 自尊心ぽきりアスパラガス青し           板柿せっか アスパラガス噛んで聖者は復活す           門前の一草 戦を知らぬ土にアスパラガスがぶつ刺さつてゐる           いかちゃん アスパラガスで歯車を壊したぞもう誰も引き返えせねぇ           おなみちゃん R6.5.3 採れど採れどアスパラガスといふ愚直           俳句ファイヤー立志 野心めくアスパラガスを折り採りぬ           凡鑽 アスパラガスの太き純情茹でてをり           飯村祐知子 アスパラガスペキポキ吾に大志あり           ひそか アスパラガス茹でる初心を折らぬやう           ちべた店長 ピーラーは貝印アスパラガス長し           河合郁 アスパラガスのテープを君はそう切るか           露草うづら 濃く茹でてアスパラガスは少年期           お四国さち 茹ですぎて喧嘩アスパラガスの馬鹿           ひと粒の種 校了日アスパラガスに肉を巻く           秘英知 アスパラガス巻かれるときはおとなしい           二重格子 肉汁の勢力圏のアスパラガス           かねつき走流 バター焦がしてアスパラガスは屈強           笑田まき 長所ってどこさアスパラガスに塩