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『筍飯』

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    『筍飯』 R5.5.12 筍飯一升炊ける羽釜欲し          越智空子 湯気やけに張り切っており筍飯          かま猫 鳥狐混ぜて嫗の筍飯          帝釈鴫 産土は風の地たけのこ飯噴く          冬のおこじょ 筍飯まづ鍬を買ふ山を買ふ          定位置 筍飯ツチノコ逃したる話          多事 大釜や筍飯を掘り返す          彼方ひらく 分け入つても分け入つても筍のなき筍飯          ツナ好 筍飯神樹の陸の道祖神          郡山の白圭 筍飯持ってけ店なんぞ無いべ          稲畑とりこ 関一つ越えてまた関筍飯          川越羽流 田鏡の畔にはうばる筍飯          矢的 湖真きらきら筍飯をたひらげる          ひそか 町長の山に新道筍飯          樫の木 役所すら貰はぬ山よ筍飯          大黒とむとむ 人生に裏年筍飯優し          にゃん R5.5.19 筍飯くどの五徳にぬか袋          風早杏 構想二日の筍飯をさあ          西川由野 あんだけ抱えてこんだけの筍飯          石井一草 玉こんのころころ筍飯旨し          木野桂樹 筍飯ちゃきちゃきこめかみが笑う          澤村DAZZA 筍飯寺の厨の二升釜          かわらなでしこ 筍飯庫裏に手慣れしご住職           赤味噌代 筍飯香り法話の長きこと          三水低オサム 葬儀屋の昼は固めの筍飯          染野まさこ 無口なる巨漢典座の筍飯          ほろよい 直会の筍飯へ竹の風          佐藤儒艮 祭礼の大役筍飯の釜          イサク 千杯は筍飯を食うた顔          寺尾当卯 『天』 米糠よ猛れ筍飯のため          新樹番人 手に抵る筍飯を握りけり          洒落神戸

漢字シリーズ『体』

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  漢字シリーズ『体』 R5.4.28 御神体の小石のまるみ春祭り           夏湖乃 春の子を抱いて体重引き算す           梵庸子 ががんぼの体の太らない仕組み           朱鷺9条湯八 差入れは雑煮天体観測所           元野おぺら もうヤケで馬体だけ見て買ふ有馬           詠頃 体臭を消し満員電車無月           山内彩月 東京や体は月の穢れのよう           ツナ好 春惜しむ風よ筑波の女体山           里山まさを 龍は吼ゆ男体山は金秋ぞ           原水仙 体幹をひかりの棒としてヨット           みずな 春の溜息世界の体積くらい           仁和田永 球体の春の鮮度を求めなさい           津島野イリス 桜蘂降る心は玻璃の立方体           井上さち 春愁の立方体に収まらず           小野更紗 八重桜沸いて光の多面体           りぷさりす園芸店 文語体なり香港の囀りは           濃厚エッグタルト R5.5.5 春愁の上体反らし二時限目           ちばくん 体操着ぶんぶん蜜蜂がかわいい           広木登一 さえずりを身体をめぐる酸素とす           蝦夷野ごうがしゃ 肉体てふ殻割れ春の鳥になる           伊藤恵美 鳥雲に遺体袋の塩素の香           電柱 涅槃西風百体鞣す作業場へ           東京堕天使 解体の家の吐き出す黴の匂い           多々良海月 解体の老舗朧の伽藍堂           ヒマラヤ杉 うららかに小気を包む体かな           門前の一草 人体へ春乗り込んできて濁る           古瀬まさあき 薔薇の棘握ることかも体罰は           二重格子 蟲売りに一体何があったのか           渥美こぶこ 墓石二基ほどか残暑の体積は           常幸龍BCAD 涅槃図や象も体を折るやうに           鯨尺 『天』 白桃の虚弱体質気取りかな           清人 教え(R5.5.4 一句一遊 虎の巻 談) 体寄する母の帰らぬ子よ朧           たかみたかみ 「体を寄せている母」と誤読されてしまうの