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『団扇作る』

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  『団扇作る』 R5.4.14 まづ水に竹めざめさせ団扇作る           千夏乃ありあり 団扇作る竹吸ひ上ぐるみづやはらか           はぐれ杤餅 団扇作る水吐く竹の佳き重さ           世良日守 乱暴な竹を治めて団扇作る           ギル 団扇作る竹の成りたいように為す           夏椿咲く 団扇作る竹は撓りて賢くて           東田一鮎 団扇作る竹はしゃらしゃら光る波           とまや 竹割けば風の嘶き団扇作る           冬のおこじょ 団扇作る竹は風生む芯として           常幸龍BCAD 団扇貼る糊の匂ひの明けの家           越智空子 団扇つくる糊へとぷりと朝の水           露草うづら 糊といふ薄き光へ団扇貼る           多々良海月 団扇干す糊の香しんと眠りおり           ばばばあちゃん 団扇作るや日に透けて雁皮の香           一斤染乃 団扇貼るこれ即身仏の匂ひかな           蓼蟲 R5.4.21 団扇作る風はしつとり暮れる町           花水木 団扇作る朔日の月きれい           青木りんどう 満月のごとき団扇を作りけり           はれまふよう へり紙は母の仕事や団扇作る           ひでやん 骨に沿いひ掠るる筆や団扇作る           城ケ崎文椛 未だ風は空のものなり団扇貼る           亘航希 今は風吸わせています干す団扇           大紀直家 団扇干す風音明くなるまでを           あずお玲子 団扇干す裏も表もなき真白           葉村直 北斎の波溢れしめ団扇貼る           彼方ひらく 宗達の青き風神団扇作る           妹のりこ 風神ずらり天狗ずらりと団扇干す           浦野紗知 風神を封じ団扇を完成す           凡鑽 団扇作る四国に神の四つ柱           Rx 『天』 団扇作る卯の花色の糊を刷毛           中岡秀次 鉈とんと団扇に移す風の縁           片岡六子

『雪しろ』

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  『雪しろ』 R5.3.31 雪しろは日本の言葉山仰ぐ           大型犬 雪しろや動くものみな音蒼し           うぅりゃりゃ柚季 雪しろや水が濁つて澄む過程           きせき 雪しろやひかりをかへすみづに影           笑笑うさぎ 雪しろの流れを割いて光飛ぶ           B作くん 雪しろやまだ太陽に角がない           広木登一 雪しろの爪痕太陽の愁ひ           痛快 雪しろやそらのおへそにずつきする           本田ゆうら からだぢゆう雪しろの鼓動であるか           冬のおこじょ 大物を狙ふ雪しろの澱みへ           ぽおや 雪しろのがうがう魚は磨かれて           澤村DAZZA 滾る雪しろチェーンソーの応戦           妹のりこ 雪しろや酒と釣り券だけの店           大黒とむとむ 雪しろのみづに洗はる道祖神           沢拓庵 雪しろや腰へぶつかる鈴と鈴           お天気娘 雪しろがうがうマンホールは鼓膜           井納蒼求 こんこんと雪しろ雪だつた記憶           岩のじ R5.4.7 雪しろの音そのほかは谺かな           はれまふよう 雪しろを避けつつ眠さうなこだま           きとうじん 雪しろを知らせる風の曲りゆく           きさらぎ恋衣 雪しろは山のきのふを運ぶみづ           ヒマラヤ杉 雪しろを超えて足跡馬小屋へ           打楽器 雪代や牛舎の銅の青く錆び           稲畑とりこ 雪しろへ鼻先牛の名は「ひかる」           えるも 雪しろや難産の子山羊は双子           燕の祈り 雪しろや手書きの地図を折る歩荷           俳句ファイヤー立志 雪しろにうた山のこと風のこと           新田ダミアナ 雪しろやお山は鳴くと祖父は言う           桃園ユキチ 雪しろたつぷんコロボツクルひよこり           京番茶さきこ 雪しろや河童のやうなもの流る           小だいふく まよひがであらう雪しろのびてゆく           古瀬まさあき 『天』 雪しろの流れ光を喰ひ飽きず