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漢字シリーズ『山』

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  R7.2.14 叡山電車この駅からの寒さあり           門前の一草 叡山の此処が丹田寒灯           凡鑽 山彦と張り合つてゐる御慶かな           いかちゃん みどりごのまなこはくろし初山河           麦仙人 宝船どれも山師のやうな顔           つきのしゅか 山は春隣り天之手力男神(アメノタヂカラ)の咆哮           西条ユーホ吹き 山鳩の風切ましろ春近し           くま鶉 千代紙の折り目に春の山と谷           綾竹あんどれ 色鉛筆ころころ春の山きれい           のんきち 赤点をくらいて春の山に寝る           草夕感じ 子沢山の友へミモザは満開です           日土ぽぽんた 山吹の花弁平たし野は広し           ルーミイ 山車を引き終へて氷菓をもらふ列           いさな歌鈴 幾たびも山を描くや盆踊           常盤はぜ 夕焼けに懐かれ山の葉が赫い           木染湧水 夏山のゴミ吊り下げるヘリの影           落花生の花 山清水脇の巨木に一礼す           ヴィノクロ 山小屋の寝袋増えてゐる未明           野地垂木 R7.2.21 片手分山羊へと積んで春の草           久森ぎんう 遠足はいつも山つまらない山           千夏乃ありあり 山頂に珊瑚の化石夏始           井納蒼求 父の持つ袋に山葵釣果知る           阿野泰己 湯治場に双子の婆よ山葵漬           大久保加州 鼻を刺す山葵のちから年金日           もりおかかぽ 赤飯を飛び出してゐる山の栗           はなちるさと 追悼や月に濡れゐる山椿           巴里乃嬬 まつくろな月まつくろな紅葉山           石井一草 風花を噴いてよこすは浅間山           杏乃みずな 雪虫の眷属として山に入る           髙田祥聖 雪下し上手米山甚句下手           凪太 山眠る退屈さうな立ち便器           樹海ソース にはとりの助走は永し山眠る           押見げばげば 『天』 山姥の家燃えたぎる冬の梅           打楽器

『冬菫』

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  R7.1.31 冬すみれ小学校が遠すぎる          そら 菓子缶は手紙の棺冬すみれ          ツナ好 冬すみれ神童のままいたかつた          平山仄海 求職のための出勤冬すみれ          二重格子 転職の運河の街を冬すみれ          鈴木麗門 決心は固し冬菫へと風          川越羽流 冬菫のためにしゃがんだわけじゃない          多数野麻仁男 冬菫笑つた気がしたと記す          山本パンダ 冬すみれ考(ちち)は明るき丘の上          紫水晶 冬菫余命の見える眼欲し          GONZA 冬菫おれ死にたくはないらしい          イサク モルヒネの夢の片隅冬すみれ          十月小萩 さつきまでてふだつたこの冬菫          渋谷晶 祈るとき人は小さし冬菫          一斤染乃 主はこれをあはれみ選ぶ冬すみれ          中岡秀次 ひかりとはマリアの吐息冬すみれ          樹海ソース たましひは鈴のかたちや冬すみれ          ぞんぬ R7.2.7 冬菫あえかな風が痛さうな          仁和田永 慰めのごとき雨音冬すみれ          山内彩月 街灯の光を雨が冬菫          ほろよい 駐車場五番の奥の冬菫          のなめの子セカンド 冬すみれ雲はどこから見ても横          元野おぺら 冬すみれ父の物忘れはきれい          モッツァレラえのくし ふるさとの海はしわくちや冬すみれ          常幸龍BCAD 冬すみれ燧灘へと風の鳴る          妙 原発の海暖かし冬すみれ          ちろりん 冬すみれ揺らす震源から風          夏風かをる 冬菫ここは活断層の上          小笹いのり 詩歌とは愉しき呪い冬菫          横縞 仕合せな詩人はきらひ冬すみれ          長谷川水素 冬菫深く彫らるる義民の名          藤白真語 冬菫これより革命の春へ          錆田水遊 『天』 かく晴れてよく鳴りさうな冬すみれ          古瀬まさあき