『牡丹焚火』
『牡丹焚火』 R6.11.8 焚くといふ言葉やはらか牡丹焚火 熊の谷のまさる 手に軽き大枝牡丹焚火来る ろまねす子 七尺の吹き竹牡丹焚火点く 川越羽流 火男の星を吹き入れ牡丹供養 郡山の白圭 火男の手は愛しげに牡丹焚く 十月小萩 焼べ足せばまた透きとほる牡丹焚火 小染湧水 夕星へ牡丹焚火の小さく泣く かねつき走流 牡丹焚く酷く冷たい火もありぬ 夏風かをる 牡丹焚火しくしく夜のふくらみぬ 常幸龍BCAD 紫のかほりは祈り牡丹焚火 鹿本てん点 牡丹焚火木霊はあをき炎(ほ)となれり 飯村祐知子 牡丹焚く炎の芯の爆ぜて星 黒子 みえさうな月の裏側牡丹焚く 世良日守 牡丹焚火影はしづかな一行詩 嶋村らぴ 老木の語る叙事詩や牡丹焚火 陽光樹 革命の色なる牡丹焚火かな 樹海ソース R6.11.15 牡丹焚火榾に一礼して始む 鈴白菜実 暮れるとは濡れくるやうに牡丹焚火 二重格子 翳る手の甲牡丹焚火は煌々 阿野泰己 頬と目のあいだの熱や牡丹焚火 五味海秀魚 六尺の牡丹焚火の立ちにけり 樫の木 牡丹焚火とは凍てながら燃え上がる 元野おぺら 寂しきは牡丹焚火の火の形 たーとるQ 牡丹焚く銀朱の 燠 の堆し 眩む凡 鳳凰の火影や牡丹焚火なる 穂積天玲 有漏の影咲かせて牡丹焚火かな 凡鑽 延命はしない牡丹焚火きれい 島田雪灯 牡丹焚く死後などないと思ひつつ ぞんぬ 牡丹焚く火が欲し我を葬るとき 山本先生 転生や牡丹焚火の火の真直ぐ 野地垂木 牡丹焚く来世も牡丹だと思ふ 髙田祥聖 『天』 牡丹焚きます象番を諦めて 七瀬ゆきこ