『白露』(二十四節気)
『白露』 R6.9.13 行き合ひの風の綴ぢしろ白露なり 佐藤ゆま ゴム底に白露の石を喰はせけり 大山正木 くたくたの田靴よ白露の忌中札 稲穂 牛乳の瓶に擦れ傷ある白露 かま猫 防災の袋へ句集白露の夜 杏乃みずな セロハンの黄ばむ白露の文庫本 伊藤映雪 望郷を綴る白露のペンの黒 沢唯果 反りし筆白露の墨へ沈めけり 藍創千悠子 猫の爪ほどの白露の月上がる にゃん やや欠けた月は白露のためである 広島じょーかーず 腹浮かぶ鯉の亡骸白露の朝 雪のこだま くろがねににほふ骸を棄つ白露 麦のパパ 蹄鉄の形見となれり白露けふ 彼方ひらく 木彫へ嵌める石の眸白露の眸 播磨陽子 牛の乳滑らかに出ず白露かな 帝菜 ペーターの山羊は名無しやけふ白露 椋本望生 R6.9.20 会釈して白露の朝を譲り合ふ 花南天anne 城跡や白き白露の石ひとつ 苫野とまや 馬の尾のはらと白露の風を斬る 池之端モルト 発酵を終へたやう白露の雲は 織部なつめ 六君子湯を白露の白湯さらり 川越羽流 糠足して白露の朝の壺しづか 津島野イリス 産みたての白露の卵集めたる きとうじん 終の家どこになろうか白露の日 蓼科嘉 また少し透明に白露の母よ 小野更紗 納骨を壮途となさむ白露かな 凡鑽 新聞のにほひ白露の土の匂にほひ 越智空子 水を得て器定まる白露かな 穂積天玲 肺へ風入れる白露の薄荷色 野風 空もまた白露八方尾根を風 あみま 『天』 一滴となるや白露のみづとみづ 常幸龍BCAD