投稿

8月, 2024の投稿を表示しています

『俳句甲子園』

イメージ
  『俳句甲子園』 R6.8.16 俳句甲子園机の下の拳かな          麦仙人 マイクが拾ふ俳句甲子園の焦り          高橋寅次 俳句甲子園マイク目配せして渡す          鈴白菜実 熱弁の助詞「を」の理由俳句甲子園          岸来夢 俳句甲子園助詞の飛距離を測りをり          音羽凛 俳句甲子園歴史揺るがす助詞一つ          木ぼこやしき 俳句甲子園詩を整へるひとこきふ          きのえのき 討論といふ研磨剤俳句甲子園          せとみのこ 崖っぷち上等俳句甲子園          うねめのぼたん 最強の装備はナカマ俳句甲子園          千夏乃ありあり 俳句甲子園飛び跳ねる詩と心臓と          綾竹あんどれ 俳句甲子園詩にずぶ濡れの心臓          七瀬ゆきこ 俳句甲子園島の子に島の詩          富山の露玉 俳句甲子園海はきれいなだけぢやない          常幸龍BCAD 鳥はなぜ飛べるのだらう俳句甲子園          藍創千悠子 俳句甲子園海は青くて詩は深い          立ち漕ぎブランコじゅん 俳句甲子園雲しづやかにして太し          押見げばげば R6.8.23 俳句甲子園まろき下五の鼻濁音          麦のパパ 俳句甲子園先鋒きよらなる息づかひ          赤尾双葉 俳句甲子園次鋒の息は詩の重み          樹海ソース 一音の飛沫や俳句甲子園          京番茶さきこ 先輩は借りてきた猫俳句甲子園          ボイス&フィンガー 俳句甲子園ほんたうは無口な友と          浅海あさり 俳句甲子園ちりり充電電子辞書          水須ぽっぽ 俳句甲子園祖母の句集を護符として          かつたろー。 先鋒は歌人の血筋俳句甲子園          丁鼻トゥエルブ 俳句甲子園詩は熱を帯び渦となる          青井えのこ 俳句甲子園ゆっくり過る詩の尾鰭          澤村DAZZA 詩を生んでやすらかな肺俳句甲子園          伊藤映雪 俳句甲子園こころの弦の震へをり          磐田小 俳句甲子園をのこののんどよう動く          津島野イリス 俳句甲子園益荒男に泣く権利    

『納豆造る』

イメージ
  『納豆造る』 R6.8.2 納豆造る塩とがらせてまろませて           古賀 納豆造るやまとの友として麹           Rⅹ 納豆造る桶の黒きを貴びて           彼方ひらく 納豆造る木桶の蓋の深縹           駒村タクト 納豆造るぐわと塩浮く桶の縁           澤村DAZZA 寺じゆうに納豆造る塩にほふ           ベス 納豆造る塩水は目に痛い           おこそとの お経より納豆造るのが巧い           けーい〇 納豆造るほかはしづかな昼なりけり           眩む凡 納豆造る室に眠らせ日に起こし           にゃん 納豆造るぽっぴらぺんと麹咲き           二重格子 納豆造る豆はきらきら饐えてゐる           碧西里 納豆造る念珠くらいの色が良い           笑田まき 納豆造る匂いに残る豆の熱           藍創千悠子 納豆造る何かを諦めたかたち           コンフィ 納豆造る食うて稼いで死ぬるため           くるまや松五郎 藍玉どうか納豆造るこそどうか           大友さち 納豆造る無心を仕込む僧ひとり           川名まこと R6.8.9 納豆造る桶に大豆のゆるぶ声           岬ぷるうと 指先に豆のたましひ納豆造る           トウ甘藻 納豆造る即身仏のごとき豆           俳句ファイヤー立志 納豆造る汗をかかざる仏の手           イサク 納豆造る寺の扉の菊御紋           川越羽流 得度式終へ納豆の造り方           熊の谷のまさる 納豆造る僧の橈骨(とうこつ)うねる           門前の一草 納豆造る地底の膿を掻くやうに           千夏乃ありあり 赤黒き泡吹く桶や納豆造る           杏乃みずな 納豆造る樽ぞふぞふと昏き熱           錆田水遊 納豆造る都に余る熱を用て           浦野紗知 兵火黒し造る納豆また辛く           古瀬まさあき 納豆造る乱を逃れし麹黴           西川由野 陽光とは痛くて黒し納豆造る           常幸龍BCAD 『天』 納豆造る禅僧の肉(しし)清らなり