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『ハンモック』

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  『ハンモック』 R6.7.19 椰子の樹は海へ傾きハンモック           山内彩月 雲図鑑に載つてない雲ハンモック           古賀 ハンモックの下を子の抜け犬の抜け           梅鶏 父さんをこちょこちょの刑ハンモック           植木彩由 ハンモック母を半日棚上げし           西川由野 子らは海賊にハンモックは船に           一久恵 ハンモック答えは自分で探すんだ           おなみちゃん 馬鹿だった日々も星屑ハンモック           モッツァレラえのくし ハンモックが好きどこまでも不自由で           あなぐまはる 怠惰とはとびきりの趣味ハンモック           ふくじん ハンモック日常は捏造で出来てゐる           ちろりん ハンモック降りればヒトに退化しさう           司啓 アルプスの山羊は小さしハンモック           津島野イリス 太陽の船ぞぎしぎしハンモック           マレット 天真に鴎デッキのハンモック           樋口滑瓢 復員兵荷に潮の香のハンモック           木ぼこやしきの父 ハンモック死海は沈みゆく柩           凡鑽 R6.7.26 ハンモックの芯へこの身をねじり込む           千夏乃ありあり 乗る前に落ちてたまるかハンモック           Mのぼる 実況は母校劣勢ハンモック           唯野音景楽 速報の母校敗退ハンモック           きりんえみじょ ハンモック本落っこちてから二時間           澤村DAZZA 爆ぜる火の香に目覚めけりハンモック           樫の木 去年の雨の匂ひのハンモック吊るす           さんぺきみほ 天井扇倦みたる午後のハンモック           このみ杏仁 異国に腕を垂れ百のハンモック           五味海秀魚 行員は吾のみ支店にハンモック           Rⅹ ハンモック張ってベンチャーらしくなる           吉行直人 水割りのちょうど良い位置ハンモック           門前の一草 鹿皮の栞の匂ひハンモック           沖原イヲ 老人のライオンの夢ハンモック          

『二十三』

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  『二十三』 R6.7.5 青芝や二十三人目に主審           亀田荒太 面接の二十三人目が甚平           樫の木 二十三までは数えたはず目高           にゃん 一族の二十三人目や麦茶           日永田陽光 23㎝のバービー123㎝のあっぱっぱ           駒水一生 冷蔵庫ぶおおん二十三時の蚊           はぐれ杤餅 二十三時の悪人面の蜘蛛とゐる           森野みつき おでんたぷたぷ二十三時のベッドタウン           みずたま 水飲めば二十三時のふくろふ来           まんぷく 酒に倦む二十三時の熱帯魚           綾竹あんどれ ナイターが終はらぬ二十三安打           宵嵐 ビールおかわり二十三区を言ふゲーム           白猫のあくび ハザードマップ赤々二十三区の蛾の無音           古瀬まさあき 新緑よ二十三区を包囲せよ           百瀬はな 鯖が降る二十三区は迂回せよ           宮下ぼしゅん 二十三世紀のコレラ船 赫い           山本先生 R6.7.12 芋植ゑる二十三本ほど足らぬ           田中千十恵 蜈蚣だが二十三本ほど足りぬ           多数野麻仁男 大花火二十三番目は不発           朱鷺9条湯八 二十三度目の脳内離婚西瓜切る           錆田水遊 白靴に二十三キロ減の脚           まっちゃこ良々 二十三歳蟻の一縷を嗤えずに           ツナ好 二十三歳男 たんぽぽを摘む           樹海ソース 刃涼し二十三頭目の去勢           清水縞午 居待月二十三頭薬殺す           水鏡新 蛆の見る23.0の靴           三尺玉子 売れない詩人二十三夜月に吠ゆ           青田奈央 幽霊が二十三人ゐてうるさい           十月小萩 羊が二十三匹狐火が一匹           いかちゃん 河童忌や二十三号とは私           つまりの なめくじり二十三世紀はあした           宇都宮駿介 『天』 お祝いの西瓜象舎へ二十三           三月兎