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『啄木忌』

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  R6.4.12 鉛筆の削れぬ丈や啄木忌           もも 小指側芯に汚れて啄木忌           富山の露玉 ペン胼胝の熱のゆゆしき啄木忌           巴里乃嬬 砂時計の中に砂山啄木忌           野地垂木 砂は城つくらず豊か啄木忌           七瀬ゆきこ 砂色の余白のありし啄木忌           でんでん琴女 借りたまま遺品となりぬ啄木忌           北欧小町 砂握る手と花買ふ手啄木忌           西鯖男 ぐしゃぐしゃの札で花買ふ啄木忌           三月兎 スマホ繰る社食、啄木忌の咀嚼           岬ぷるうと ラーメン二十ドル啄木忌のハワイ           天雅 お通しのキャベツのぺらり啄木忌           里山子 乾びたる飯粒痛し啄木忌           小野更紗 啄木忌ATMの銭熱し           いかちゃん 啄木忌職とは飽きるものばかり           赤尾双葉 履歴書の吾は真顔なり啄木忌           青居舞 履歴書の空欄昏し啄木忌           島田雪灯 R6.4.19 新聞のインクきしきし啄木忌           黒子 歯車を油の清き啄木忌           葉村直 古書店の梯子啄木忌の埃           岸来夢 トランプに永遠の階級啄木忌           長谷川水素 日食の微かな寒さ啄木忌           もふもふ 訛りとは山河のひかり啄木忌           夏湖乃 啄木忌釧路は砂も湿っぽい           留辺蘂子 絡み合ふ木の根草の根啄木忌           一走人 啄木忌鳥の骸に掛ける土           紗羅ささら 漂流の硝子は緑啄木忌           越智空子 明星は金糸雀色や啄木忌           井上さち 蹠は無防備な陸啄木忌           うからうから 旅多き父の映写機啄木忌           うまこしあずき 『天』 味噌汁に映る目も飲む啄木忌           らん丸 啄木忌ちぎれた雲の痛さうな           露草うづら

カタカナシリーズ『ラ』

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  R6.3.29 ラジオ局告ぐる花見の混雑度           三休 朝粥にラー油数滴花曇り           国代鶏侍 たらたらと夕焼ちやうだいしてラー油           黒子 ラーメンと時給同額春遅し           木ぼこやしき 春闘勝利ラーメンに何乗せやう           文六 麦湯一飲みデモクラシーをいざ説かむ           吉行直人 炎天に咽ぶラッキーストライク           ペトロア 迎火へ焚べるラークのつよいやつ           大黒とむとむ ラブかライクか春キャベツか芽キャベツか           凪太 ビューラーに巻き込む春の夜の事実           東田一鮎 マフラーに顎埋めどこからが不倫           凡鑽 カステラの生地は春愁のかたまり           はっしー デコトラのラヂオはジュリー昭和の日           鈴木麗門 開栓のくすぐつたさうラムネ瓶           宮井そら 全方位うららかプリンアラモード           想レベル7 羅でオペラ座アタシ撮られてる           巴里乃嬬 ラピスラズリ明るき正倉院曝涼           Rx R6.4.5 残雪のラッセルみづ音のかすか           樋口滑瓢 鳥帰る二ヘルツ上のラの響き           三水低オサム 三月の沖に届かぬクラクション           熊の谷のまさる 未使用の朝の太陽ライラック           石手川太郎 青き踏むゴリラ雄々しき素つ裸           ぞんぬ でろりんと春のラクダの瘤垂れて           ゆすらご ライオンの顎を濡らして春の水           理酔蓮 ライオンの寂しき腹へ桜東風           めぐみの樹 藤棚の賑はふ頃のライオン舎           西条の針屋さん ごめんいま起きたつちふる日のカラダ           古瀬まさあき フラれるかもな静電気のセーター           彼方ひらく タラップの春一番へ咆哮す           ほろよい もう落葉時ラーメンが二十弗           新樹番人 お子様ランチ統べたる真緑のゼリー           いかちゃん 昼寝人轢き行くラジコンの戦車           銀紙 ラフレシアの