投稿

1月, 2024の投稿を表示しています

『いい、つばきの日 2024』

イメージ
  『いい、つばきの日 2024』 R6.1.28 ままごとに椿のならぶ日曜日           暖井むゆき 寒椿柩へ淡きぬいぐるみ           花節湖 萎みゐるサッカーボール紅椿           稲畑とりまる 寒椿ここも地震まで海だつた           Rx 椿落つ自転車のカゴ壊れけり           颯萬 バッテリー上がってひとり寒椿           音羽実朱夏 会いには行けぬよ椿に見られゐて           うからうから 吾にもまたよもだのこころ落椿           めぐみの樹 頑固でもいいし椿を好きでいい           深谷健 長靴の中より救ふ落椿           Drでぶ けんかしてつばき置きわすれてしまふ           古瀬まさあき 椿咲くそこがあなたの場所ですか           七瀬ゆきこ ひりひりと光は弱し椿落る           一久恵 大切な物は椿と共に置く           柿司十六 いい椿わるい椿を拾ひけり           奈良香里 白椿うそが上手になりました           幸の実 コンテナのバックル硬し白椿           稲畑とりまる 工具箱の臭い落椿の熱           北野きのこ 椿聞いて保育園全部落ちたよ           杉沢藍 落椿三百万で売る実家           電柱 がらくたは明日片付ける玉椿           霧賀内蔵 母にまた怒られてきた紅椿           玲徹楚々 椿切るだから遺産で揉めるのよ           渡辺桃蓮 山田さん昨日来たらし庭椿           豚々舎休庵 落椿掃くか捨てるか彩るか           古賀 これがあの鑑識ボックス冬椿           世良日守 ヨカナンの首は椿の重さなら           清水縞午 【最優秀賞】 パンドラの匣を椿で満たすまで           広瀬康 【俳都松山大使賞】 落ちてゐないみたいなかほの椿かな           大黒とむとむ 【家藤正人賞】 手のひらへ移す椿の熱量は           亜桜みかり 【優秀賞】 椿つばき淋しき箱に果ててゐる           コンフィ 椿でもおらんと蔵が可哀想           凪太 落ちさうな椿が思ふ場所に落つ   

『寒造』

イメージ
  『寒造』 R6.1.19 千年を神の清流寒造           ほろよい 神御座す深井戸七基寒造           一港 寒造天神様のみづきよら           一走人 蒸米のひかり均せり寒造           巴里乃嬬 寒造鈴振るやうに麹振る           グッドライト 寒造風痛き夜を山卸し           にゃん 櫂入れのかひなより湯気寒造           深山むらさき 櫂棒の芯は揺るがず寒造           笑笑うさぎ 地響きのごと唄う蔵人寒造           はただゆう 能登衆の手の丘厚し寒造           真井とうか 寒造くぐもる室に星の息           かいみきまる 星々が水にくだけて寒造           中岡秀次 寒造神の吐息のあまきこと           葦屋蛙城 ちからある泡の音して寒造           古瀬まさあき あぶくとは神のつぶやき寒造           押見げばげば 祝詞めく醪の泡よ寒造           電線男 R6.1.26 産土の風の名与へ寒造           多々良海月 町の名に鬼の一文字寒造           誉茂子 六甲おろし含みて清し寒造           素々なゆな 白妙の雨飾山寒造           高尾里甫 寒造若狭の水の噴くところ           清水縞午 寒造米にみづみづしき窪み           岸来夢 酒米の真芯のひかり寒造           三月兎 寒造久谷の猪口の鐘馗様           HNKAGA 寒造久谷の干支に注ぎたり           風花まゆみ 胃の壁の斜度を雪崩るゝ寒造           元野おぺら 板粕の拉げ寒造りの息吹           西鯖男 寒造一升供へる山の堂           大月犬ラルフ 寒造風土記に力強き文字           浦野紗知 列島の背筋は寂し寒造           沼野大統領 『天』 能登の鬼とく鎮まれよ寒造           モデラート

『初山河』

イメージ
  『初山河』 R6.1.5 まだ黒きまま蹲る初山河           理酔蓮 風門の静かに動く初山河           彩汀 松原は翼となれり初山河           このみ杏仁 連なるを雲は生まずや初山河           穂積天玲 まず酒を天地に風に初山河           池之端モルト あめつちの骨のにほひや初山河           清水縞午 神々に性あるふしぎ初山河           碧西里 初山河家の東に宮と堂           えのころちゃん たたら場に小さき火の神初山河           はぐれ杤餅 賽銭の鉄気臭ふ手初山河           丁鼻トゥエルブ 赤福の三筋明るき初山河           山中揚 谺するあたしの野望初山河           くま鶉 初山河欲かと聞かれ夢と答ふ           七瀬ゆきこ 乳房なき胸にも起伏初山河           凡鑽 初山河木霊どこまで飛ぶかしら           高尾里甫 初山河この寂しさはなんだらう           小型犬の夫 R6.1.12 初山河見慣れし山も年を取る           沼のチューリップ ちちははの生きて静かや初山河           西野誓光 二時間を来て漁港の香初山河           西川由野 薄明を昇る灯の列初山河           田中東万 夜釣り客降ろし朝酒初山河           藍月 吾を軸に四方の神や初山河           でんでん琴女 伊豆七島六まで見えて初山河           大型犬 初山河屋島一入真つ平           小型犬 股の間に初山河朝の前屈           豆闌 富士のつく四股名与へし初山河           常盤はぜ 辰年やこの初山河描く筆も           ぞんぬ 砂浴びの砂の金色初山河           ひそか 朝日子をつまづく雀初山河           巴里乃嬬 『天』 初山河仰ぐこちらも初山河           磐田小 空也めく木の吐く光初山河           一斤染乃 教え・・・季語を傍題と置き換えてみるのも推敲の一プロセス(R6.1.11 一句一遊 虎の巻 談) 『銀曜日』 初山河尻もちから生まれた盆地           澤村DAZZA まどかなる橋は鳥の名初

やのひろみの部屋 ラジオ句会『雑煮』

イメージ
  やのひろみの部屋 ラジオ句会『雑煮』 R6.1.1 車内にて雑煮の俳句大合戦           さむぎょっぷる お正月たくさん雑煮を食べたいな           味噌ちゃんぽんの子 妻の子へ雑煮のお餅いくついる           東の谷のしんちゃん 餅いくつ雑煮で感じるこの進化           あべっち 雑煮食べお酒を呑んで幸せだ           だいすけ 違和感や嫁いだ先の雑煮餅           紅紫あやめ 雑煮の餅の数えられないほど煮込み           日土野だんご虫 超簡単一人で食べる雑煮かな           れんせい 雑煮食うこういう旦那になってくれ           はぬまーん 世話好きの父とスーツで食う雑煮           久保田凡 夫の雑煮や昆布うんちくまだ続く           日土野だんご虫 鶏肉の今年は大き雑煮かな           春海凌 客同士それぞれ雑煮郷自慢           ねむりすいか 朝は母の夜は彼の雑煮食ふ           麦のサワコ 押入れの荷物は部屋に雑煮食う           茂木りん お雑煮やうろ覚えなる祖母のこと           いかちゃん 雑煮椀拭いてバイトの徹夜明け           木村弩凡 お雑煮に花人参が咲いてゐる           坐花飛鳥 かしわより餅よりなにより葱が好き           高速チェンジアップ 復活のじゃこ天肉厚雑煮食う           カットレモン ニュースざわざわ明日の雑煮に小豆煮る           梶川菜穂子 父郷のあん餅雑煮に箸止まる           どなたま 調べたからって鯨雑煮は初           三緒破小 雲呑の雑煮ほんのり紅き海老           陽光樹 今日だけは父が雑煮を作る朝           にいな 雑煮食べたい避難所に一人           酒井春棋 雑煮食ふぬるき当直用携帯           古瀬まさあき 雑煮食ふとんがりさうな夜を食ふ           熊の谷のまさる 雑煮祝ふ胃のなきことに夫は慣れ           水須ぽっぽ くたくたの真珠婚の雑煮食う           山尾政弘 オーダーのピッツァ賄ひは雑煮           巴里乃嬬 掃除機を持ち見られつつ雑煮食