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『河原鶸』

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『河原鶸』 R5.2.17 もぎたての朝日すつぱい河原鶸          黒子 河原鶸飛ぶや光は粒らしい          高尾里甫 青空は七オクターブ河原鶸          古賀 花色の空は甘さう河原鶸          広木登一 河原鶸ピスタチオグリーンの風          四季春茶子 河原鶸吐きしハズレの草の種          彼方ひらく 河原鶸啄む種と溢す種          樫の木 田の神が溢せし鈴か河原鶸          西川由野 持つものは藁一本や河原鶸          篠原そも 大師像は少年のやう河原鶸          井上さち 河原鶸空打ち延べて鳴らすやう          津島野イリス 太陽は黄色に非ず河原鶸          矢的 河原鶸ちちち知らん子ガムくれた          西野誓光 河原鶸汽車ささらめく橋の影          元野おぺら 鉄橋の熱錆臭し河原鶸          妹のりこ R5.2.24 砂利はまだ昨日の匂い河原鶸          銀紙 風切つて光くすねて河原鶸          三月兎 河原鶸ユンボに濁る早瀬かな          凡鑽 河原鶸ひょんと簗場の水早し          鯨尺 水と水別れる匂い河原鶸          澤村DAZZA 河原鶸飛んだ学校行ってみる          稲畑とりこ かはらひは黄色く鳴きて転校日          げばげば 良い事がなくて河原鶸の黄色          せとみのこ 縦笛のファの音清らか河原鶸          丹波らる ファは黄色ミは緑色河原鶸          穂積天玲 徹マンの脳に河原鶸の痛み          佐藤茂之 オレオレはバレバレ河原鶸はどれ          司啓 河原鶸心ころころ家出して          錆田水遊 河原鶸きゆるると零す詩のつづき          常幸龍BCAD 『天』 貨車たたんたたたん河原鶸の視野          古瀬まさあき 河原鶸幸せさうな流木だ          立ち漕ぎブランコじゅん

『木の芽漬』

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  『木の芽漬』 R5.2.3 歯応へは風の弾力木の芽漬          楽花生 木の芽漬茶碗を濯ぐ白湯にも香          凡鑽 木の芽漬耳下腺あたりぢんと鳴く          清水縞午 雨後の香の濃く懐かしく木の芽漬          めぐみの樹 木の芽漬分水嶺の匂ひして          七色しぐれ 木の芽漬京の町屋のいけず石          飲んだら三銭電線男 ゆるゆると曲がる叡電木の芽煮          げばげば 木の芽漬席を譲つただけなのに          亘航希 三味線の会のみやげよ木の芽漬け          河豚ふく子 お土産の天狗みくじと木の芽漬          井納蒼求 一つ事成して一人の木の芽漬          八神てんきゅう 風の名を酒に名付けん木の芽漬          穂積天玲 陽気なる僧の配膳木の芽漬          ようこう 式を終え二人の茶漬け木の芽漬          はなぶさあきら 喜びは叩いて香る木の芽漬          古賀 R5.2.10 せせらぎに匂い戻りし木の芽漬          青河童 不揃ひな木の芽余さず木の芽漬          日土野だんご虫 棘のあるものみな旨し木の芽漬          雷紋 五年ぶり増える村民木の芽漬          茂木りん 婦人部は廃止となりぬ木の芽漬          板柿せっか 水神の呼気清廉に木の芽漬          越智空子 水神の名に濁りなし木の芽漬          加座みつ ほ 盆地てふ星空の底木の芽漬          常幸龍BCAD 生家てふ箱はからつぽ木の芽漬          ひそか 長生きを嘆くな母よ木の芽漬          松井くろ 木の芽漬母の駆け落ち未遂談          世良日守 木の芽漬父の寂しき飯の量          木ぼこやしき 酒やめて粥の旨きや木の芽漬          いそ 木の芽漬たんと飯食ふ嫁だこと          三月兎 木の芽漬縫目凸凹花布巾          ポコアポコ 『天』 弁当の鬼門へ木の芽漬少し          モッツァレラえのくし