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『いい、つばきの日』

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『椿展示会の写真』 玉椿ころころ明日は通院日            朝月沙都子 わたしより低き椿を可愛がる            三浦にゃじろう 椿つばき器用なふりはもうやめた            青川紅藤子 手折りたる椿を辞書の栞として            クラウド坂の上 椿ひかひか私はうつむかない            七瀬ゆきこ 椿ころん香る光の向こう側            津々うらら 今日だけは泣かなくていい椿かな            ギル いい椿あつてわるい子などいない            平良嘉列乙 道場の窓いつ落ちるのか椿            本田わらび 真つ新な婆の留学いい椿            まなか いい椿俳都いろどり五十年            ようこうよ 「けつたいな名前ついてら」椿展            ようこうよ 椿つばき女つてなんでせう            横縞 認定番号133号の椿            めろ 冬椿こんな競輪負けてんの            たーとるQ いい椿或る夜魔女にも淑女にも            まんぷく 城のトンネル明るしいいつばき            トウ甘藻 鬱病の肺に住む寒椿の香            帝菜 いい椿組長声がきれいです            長月晴日 脆さうな時間の中のいいつばき            鰯山陽大 馴れ初めを話しませうか紅つばき            渡辺桃蓮 いい椿女は還暦からでしょう            鈴音 けふひとつ椿の名前覚えたり            雪音 椿落ちながらへ水の夕ささら            早田駒斗 椿、椿、吾が悲しみを聞き給まへ            小野とらのは 白椿また会いませうと嘘落とし            青海也緒 冬椿何かを捨てきつていきいき            北藤詩旦 みずからを赤に定めていいつばき            世良日守 いい椿カメラ向けられたら笑へ            瀬尾白果 誰にでも笑う椿がいい椿            豆田こまめ ねえ椿ゆれるピアスにしてあげる            比良田トルコ石 清潔な町や椿の口ゆるむ            山羊座の千賀子 伊予鉄のあたたか色や白椿  

『日脚伸ぶ』

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『日脚伸ぶ』 R5.1.20 まづ風を吐きしオルガン日脚伸ぶ          常盤はぜ 日脚伸ぶ花屋眩しく通り過ぎ          梅うめ子 日脚伸ぶペーパーウェイトに気泡          綾竹あんどれ うごかないことりはきいろ日脚伸ぶ          古賀 日脚伸ぶジャングルジムは牢屋らし          俳句ファイヤー立志 象とサイの博士になりたい日脚伸ぶ          鈴虫絶好調7才 象舎よりこゑ東京の日脚伸ぶ          古瀬まさあき 初産のサチコの給餌日脚伸ぶ          横縞 標識の止まれに蛹日脚伸ぶ          山田はち 父住んだハマは山の手日脚伸ぶ          七爺かいと 日脚伸ぶコーヒープレスを待つ四分          青野るりこ 日脚伸ぶゴルゴの続き読む床屋          竹内一二 日脚伸ぶ客に継ぎ足す茶の薄し          一久恵 日脚伸ぶパート契約書の控え          びんごおもて 日脚伸ぶ厚紙に付く糊の痕          水野結雅 日脚伸ぶ影がおろおろ逃げてゐる          染井つぐみ R5.1.27 二次面接日脚の伸びた話から          凪太 まづ日脚伸びしこと言ふ見合いかな          多喰身・デラックス 日脚伸ぶ座敷に並ぶ御一同          富山の露玉 篳篥を鳴らし日脚を伸ばしけり          平良嘉列乙 日脚伸ぶ反りが合わない針と糸          一笹 失業するし復縁するし日脚伸ぶ          播磨陽子 日脚伸ぶS字フックも伸びたがる          主藤充子 千ベロの壁に凭るる日脚伸ぶ          洒落神戸 日脚伸ぶ三人残る独り者          欲句歩 日脚伸ぶ猫に賢者の名を付けて          由づる 原付の並ぶ高校日脚伸ぶ          星月彩也華 休校の部員のアジト日脚伸ぶ          このみ杏仁 『天』 日脚伸ぶ畳に浅き谷と山          にゃん あの安田講堂に触れ日脚伸ぶ          松浦麗久

漢字シリーズ『結』

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 漢字シリーズ『結』 R5.1.6 初雪は結びの地より降りはじむ          柳絮 指先に引く極月の玉結び          うからうから 白滝の結び目ゆるし冬ぬくし          城ケ崎文椛 霧島丸ロープ結んだ冬の月          るら 結婚の決め手パセリ食べる君          小藤たみよ 結納の春待つあはぢ結びかな          藤白真語 父はまだ雪掻きしてる結婚前夜          十月小萩 闇鍋のように結婚したらどう          酒井春棋 結婚はしたけどこの炬燵はおれの          山本先生 御降や四区と五区を結ぶ坂          北村崇雄 木曜に集結文藝部の小春          卯波まり 教室の結論ヒヤシンス静か          平良嘉列乙 結論は出ずロールキャベツは煮崩れず          ひでやん 結論は持ち越し夕焼けがくどい          冬のおこじょ 雪催い結論ならば出てるけど          青田奈央 結論を出せば焚火の燃えさかる          中山月波 R5.1.13 初夢の結末少し脚色す          国代鶏侍 千両の活け方帯の結び方          桃園ユキチ 結ふ髪に春の鉛筆挿しにけり          桜鯛みわ 春近し杖に長短結願所          大久保加州 昼と夜の結節点として夕焼け          のんしゃらん 結末の違う映画化ざらめ雪          結壱隆月 寒鴉結論ありき委員会          オルソ 凍結す街もサドルも吃逆も          一笹 結核が不治の病の頃の霜          さくさく作物 磯花のやうな結石産んで冴ゆ          池之端モルト 結氷の湖を歩かん星鳴らん          越智空子 寒星を結んで哀しくない形          綾竹あんどれ 三月をゆたかに弾む連結部          ぞんぬ 『天』 調査した結果河童のよな狸          樫の木 狐火の温度計測する結社          濃厚エッグタルト

番外編RNB「やのひろみの部屋」ラジオ句会:『鏡餅』

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  『鏡餅』 R4.1.2 冬の空オグリキャップの迫る風          おむらいす わいの腹よくよく見たら鏡餅          だいすけ ゆつくりと成長感じた鏡餅          あーせいこうせいねん 鏡餅ミシュランタイヤのキャラクター          めみみにみみず 床の間の鏡座敷に子供たち          このはまる お鏡を飾れぬ床の虚ろかな          わららん 年越しの俺のお腹は鏡餅          あーるわん爺 天体を食べてみやうか鏡餅          染野まさこ 元旦後ひび割れが待ち遠し鏡餅          でらでらだでぃ 新築の廊下ぴかぴか鏡餅          凪太 鏡餅四半世紀の床柱          ひでやん 麻雀をすれば目が合う鏡餅          ピアニシモ 鏡餅一番搾りでほろ酔いに          みのくろ 九十の母階段に鏡餅          日土野だんご虫 「インドカレー・ナイル」のレジの鏡餅          銀紙 『水曜日以降クラス』 給油所のテレビの横に鏡餅          星月さやか 復職のデスクに小さき鏡餅          久保田凡 鏡餅乳臭き六番目の孫よ          じゃいこ 賽銭の銅輝くや鏡餅          迫久鯨 月と陽に光と影と鏡餅          坐花酔月 支配人にしては努力の鏡餅          高橋寅次 藺草かをる仏間に供える鏡餅          紅朱あやめ 外孫の掛けてごろんと鏡餅          93kgのプッコラ お鏡の割れは吉報鏡餅          西条のはりやさん 『天そば』 手になじむ絵本にリボン鏡餅          おんちゃん。 『天』 一間を鶴たずさえて鏡餅          吉野川