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漢字シリーズ『理』

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  漢字シリーズ『理』 R4.11.11 ポスターの受理印真直ぐ文化の日          土屋ひこぼし 秋雨や野球部集ふ理髪店          パーマン 理科室が夕焼けている試験管          淺野紫桜 こほろぎりりり理科実験室饐えて          イサク 一グラムの分銅理科室の秋思          うぅりゃりゃ柚季 月の理化棟珈琲豆を挽いている          井上さち 理科室の掃除はだるい外は雪          冬野とも 理科室に光ぶつかり合うて冴ゆ          古瀬まさあき 教卓に林檎物理は自習らし          能瀬野風 幼子の理屈のやうな毛糸玉          大山和水 六歳と生理のはなし柿の花          安 百舌鳥哮ける生理休暇の長き午後          板柿せっか 理性とは猫に説教すること雪          かみおかめ 影伸びて理路整然と冬にゐる          じょいふるとしちゃん 処理水の猛き放出冬立ちぬ          はぐれ杤餅 R4.11.18 小鳥来る二代限りの理髪店          中山月波 白菊や鋏しづかな理容室          巴里乃嬬 ヒヤシンス椅子一脚の理容室          クラウド坂の上 会計と副理事長の焚火かな          常幸龍 BCAD 理事会の役員みんなインバネス          小だいふく 秋刀魚焼く今日は探さぬ死ぬ理由          ゆすらご 理不尽に泣かれて鰡がよく跳ねる          広木登一 ジェラートうましやひとりに理由なぞ          風早杏 経理部へ秋薔薇送った奴がいる          ギル ゆれおわるゼリー相対性理論          ツナ好 刃の入りて理性は桃に溺れけり          さとけん 木枯や理屈を割れば余り一          岸来夢 不条理はさておき鯛焼あっちっち          梅うめ子 この中に真理の林檎あるらしく          いさな歌鈴 『天』 理系の君は小鳥と話さない          千葉羅点 白鳥を受理せよ月へ湖開けよ

『残菊』

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  『残菊』 R4.10.28 今宵より残菊と呼ぶ菊にみづ           銀紙 残菊のつぼみにけふのみづあたふ           砂楽梨 残菊を挿しし真水のうすみどり           染井つぐみ 残菊や真水の影は未完成           常幸龍 BCAD 葉より傷みて残菊の濃く咲きぬ           越智空子 残菊の下葉を毟るなななぬか           サツマジェンヌ 残菊の翳り造花のごと硬し           あずお玲子 残菊や聞こえぬ方の耳に風           ようこう レコードの古き匂ひや残る菊           多事 残菊や本とレコード燃やしたり           三水低オサム 残菊や瘡蓋めける昼の月           横縞 鳥かごはからつぽ残菊土へ傾ぐ           妹のりこ 残菊のぐんぐん光る水曜だ           北野きのこ 残菊は揺れない一度決めたこと           宇都宮駿介 岸へ寄する心地残菊束ぬれば           みずな R4.11.4 薄暮光残菊の黄を優しゅうす           紗羅ささら 残菊や色を定めて散る力           すりいぴい 一階は個人商店残る菊           平良嘉列乙 残菊の庭や渋谷の裏通り           鈴白菜実 東京は優しいですか残る菊           錆田水遊 残菊が匂うな眼医者混んどるわ           司啓 残菊よ職を選べる齢じゃない           マレット 残菊や流しの低き母の家           文月 母眠る残菊の香のさざ波に           ひそか 母はいま雨滴となりぬ残り菊           げばげば 残菊や母の忘れてゆく命           笑笑うさぎ 残る菊母とはそれっきりでした           冬のおこじょ 残菊の一片蝋涙の匂ひ           一斤染乃 残菊や琵琶は直立して鳴れり           郡山の白圭 残菊や水に解けば燻る墨           穂積天玲 『天』 井戸水に地層のにほひ残り菊